試乗して分かった北陸新幹線の「ビジネス力」杉山淳一の時事日想(2/6 ページ)

» 2015年02月13日 08時00分 公開
[杉山淳一Business Media 誠]

金沢で「前泊不要」、東京到着後も「帰社の余裕」

 金沢延伸開業後は、東京駅発6時16分の「かがやき501号」に乗ると、金沢駅着は8時46分だ。8時30分には間に合わないけれど、9時前に金沢駅周辺の企業を訪問できる。前日に出発して宿泊しなくてもいいし、窮屈な夜行バスに耐えなくてもいい。そういうことなら、今回の試乗会も9時集合にして、北陸新幹線開業後にしてくれたらいいのに……と思ったけれど、それでは試乗にならないなあ。

 帰りは、13時45分に試乗列車が金沢駅に到着した後、14時16分発の在来線特急「はくたか17号」に乗ったとすれば、越後湯沢駅で上越新幹線「MAXとき336号」に乗り換えて、東京駅着は18時20分となる。出張帰りなら「直帰させてください」と言いたい時刻だ。実際の私は土産物街を見物し、1本遅らせて、金沢発15時12分、越後湯沢経由で東京駅に19時20分に着いた。出張帰りならこんな時間に会社に戻りたくない。

 これも、北陸新幹線開業後にどうなるかといえば、同じ14時16分発の新幹線「はくたか568号」に乗って、東京駅着は17時12分となる。最速の「かがやき」ではなく停車タイプの「はくたか」だから1時間しか短縮しないけど、17時台なら会社に戻って「今日のうちに出張報告書や旅費精算書を仕上げておこうか」という気分になりそうだ。

 しかも乗り換えがないからストレスは小さい。越後湯沢経由の場合、旅程は上越新幹線の1時間16分と、在来線「はくたか」の2時間40分に分割されてしまう。カバンからモバイルPCやタブレットを取り出して書類作成など事務作業をするにも、乗り換えがあると落ち着かない。北陸新幹線の「かがやき」は約2時間半、同「はくたか」は約3時間、仕事に没入できそうだ。

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