インタビュー
» 2015年03月02日 08時00分 公開

エリート集団の裁判所が、「ブラック企業」と呼ばれても仕方がない理由ああ、絶望(前編)(3/5 ページ)

[土肥義則,Business Media 誠]

「ブラック企業」と呼ばれても仕方がない

ジャーナリストの烏賀陽弘道氏

瀬木: 話は少し変わりますが、裁判官の不祥事が目立ち始めました。1970年代から不祥事が出てきて、2000年代以降は、性的不祥事ばかり10件近く起こっています。

 こうしたことが起きる背景には、裁判官の能力やモラルの低下があるのでしょう。ただ、それだけではなく、内部の管理・統制システムが原因ではないかと思われます。裁判官は全国に約2900人いるのですが、10年に1度人事局による再任制度、すなわち“リストラ査定システム”をくぐらなければいけません。近年は毎年数人が再任拒否されています。その前に肩叩きで辞めている人もいますね。

 再任拒否や肩叩きにあった人は必ずしも能力不足とは限りません。上層部の方針に従わなかっただけ、または、意見が合わなかっただけという人もいるんですよ。

 なぜこのような事態に陥ったかというと、管理システムと情実人事が徹底されたから。こうした閉じられたピラミッド型の組織は、いったん腐敗が進むと止めることが難しい。

 ちなみに、裁判所の服務規定は明治20年(1888年)に作られたもので、休職はもちろん、正式な有給休暇の制度すらないんですよ。それでも、かつての裁判所は、平均的構成員に一定の能力と識見はあったので「優良企業」だったと思いますが、いまの状況では「ブラック企業」と呼ばれても仕方がありません。例えば、組織の中でパワハラやセクハラがあっても、相談する窓口すらないんですから。

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