土肥: 大きい人工衛星のデメリットは、頻繁に画像を撮影できないこと。しかし、小型衛星をたくさん打ち上げれば、頻繁に撮影することができるというわけですね。でも、無人の航空機「ドローン」を使えば、頻繁にしかも細かい画像を見ることができます。
中村: 宇宙から地球を撮影することができる、という話をすると、細かい画像を意識される人が多い。でも、細かく見えても情報としては価値を生まないこともあるんですよ。
カメラの望遠レンズを想像してくだい。遠いところから細かいモノを見ようとすると、どうしても見える範囲が狭くなってしまいますよね。一方、私たちの小型衛星の場合、解像度は粗いですが、撮影できる範囲は50キロほど。で、5メートルほどのモノが見える。これはドローンにはできません。
土肥: 小型衛星から撮影した画像を売って、商売をされるのですか?
中村: 私たちとしては、基本的に最新画像は無料にしてもいいと思っています。画像を見ると料金が発生するのではなく、画像から得た情報に料金が発生する仕組みを考えています。例えば、植物の成長具合であったり、工事の進ちょく状況であったり、混雑具合であったり。要するに、何をみるのか。その情報を提供することで、新たなビジネスが生まれると思っています。なので、最新版の画像を見るだけであれば無料でいい。
土肥: いまの画像は無料だけど、1日前は○○円、3日前は○○円といった感じですか?
中村: はい。画像を処理する場合には料金が発生するとか。
土肥: 実現すれば、ビジネスの幅が広がりそうですね。
中村: まずはユーザーを増やさなければいけません。現状は、ユーザーが「ここを撮影してください」というリクエストがあれば、「分かりました。では準備をして、数日後に撮影しますね」といった流れ。でも、これではダメ。ユーザーが「ここの画像ないですか?」という依頼があれば、必ず「ありますよ」と言えるような仕組みをつくっていかなければいけません。
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