返済に余力が出てくるとすぐに繰上げ返済を考える人がいますが、ここは慎重に考えましょう。
まず、住宅ローン控除は10年間の年末借入残高の1%が控除額となるため、この期間に繰上げ返済をしたら、年末借入残高が減り1%の控除額も下がります。
結果として住宅ローン控除が軽減されてしまうため、所得税や住民税の軽減額に影響を与えてしまい、繰上げ返済をした意味がなくなる場合もあります。
昨今の超低金利で住宅ローンを組んでいる人の場合、資金に余力が出てきても繰上げ返済は考えず、むしろ不測の事態のことを考慮して預貯金にストックしたほうが良いでしょう。
さらに資金に余裕があれば、投資信託などで運用を考えるのもアリです。要は、借りている住宅ローンの低金利より、少しでも運用率が上がれば金利差がプラスに生じて、結果として上手にお金を回していることにつながります。
ただし、運用は預貯金と違い投資なので、対象とする商品内容の理解とリスクを十分に承知してから始めましょう。
以上の3点を、住宅ローンを選ぶときから完済するまでのライフプランの参考にしてはいかがでしょうか。(長坂保)
長坂保
東京生まれ。CHWAN COLLEGE Associate of Science 卒業(米国)。外食産業を経て、その後経営から離れ、自衛の目的をきっかけとしてFPの知識を高める。現在は独立系FPとして、家計の見直し・資産運用の個別相談業務に努める。
保有資格:CFP、1級ファイナンシャルプランニング技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー、証券外務員二種、貸金業務取扱主任者
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