最近、読者から編集部に「預金で得するコツについて」について問い合わせがありました。預金金利が過去最低水準にあるなか、少しでも高い金利で預金することに関心が集まりつつあるようです。今回は、少しでも高い金利で預金するポイントについてお話しします。
まず、得するワザについて話す前に知っておいてほしいことがあります。今はかつてない「預金冬の時代」にあるということです。日銀が空前の金融緩和によって政策金利を最低水準まで抑えこむなか、消費者物価はアベノミクスで上昇傾向にあります。足元では原油価格の下落を受けてプラス0.5%程度にとどまっていますが、中長期的にはプラス1〜2%を目指すものと思われます。
今の預金金利で年0.5%を確保するのはほぼ無理な話で、いずれにしても預金では実質的な価値で言えば目減りは避けられません。「それなら預金なんて面倒なことをせずタンス預金でいいじゃん」という声も聞こえそうですが、何もしないままなら年0.5%ずつ減るのに対して、仮に0.4%の金利で預けることができれば0.1%の目減りで済みます。
今、日本株やドル投資は絶好調で、運用者は大きな含み益を抱えていますが、これらのリスク資産は常に値下がりするリスクを抱えています。それに対して預金は1千万円までなら元本が保証され、利息も必ず支払われます。今は預金利息で大きく増やそうとするのではなく、何年か先に再び来るであろう「預金春の時代」(=デフレ時代)に備えて、ベース資産を守っていく「守りのスタンス」が大事なのです。
過去にも紹介していますが、金利が高めなのは運営コストの安いネットバンクです。今、1年定期でトマト銀行、香川銀行など地方銀行のネット支店で0.32〜0.4%(預入額による)とお得な金利がついています。
狙い目は、6月と12月。例年、ボーナス時期に合わせ、高めの金利をつけるキャンペーンが行われます。大手では、今、大和ネクスト銀行が3月31日まで、年0.4%のキャンペーンをやっています(既存の顧客は0.32%)
ただし、ネットバンクは通帳がなくATMかネットでの入出金が普通。使うPCのセキュリティにも注意する必要があるなど、便利さ、使い勝手の良さでは通常の預金より劣ることは覚悟してください。
なお、定期でも1年より3年、5年と長期になるほうが利率が高い場合が多いですが、今後は銀行金利も少しずつ上がっていく可能性が大です。長期の定期は今は避けた方が無難と言えます。
1年定期で高めなのが地方銀行のネット支店なのに対して、大手ネットバンクは1、2週間から6カ月までの短期の金利を高めにつける傾向があります。今ならオリックス銀行eダイレクト預金や楽天銀行(毎週、金利が変わる)の0.2%が狙い目。
もう終わってしまいましたが、ネットバンク以外では三井住友銀行が昨年末に2カ月0.9%のキャンペーンをやりましたし、三菱UFJ信託銀行の船橋出張所限定で3カ月2.784%という驚異的な高金利をつけて話題となりました(今年1月末で終了)。
ときどきこうしたお得な金利キャンペーンが突然行われます。常にネットを巡回して、お得情報をいち早くゲットするマメさも必要です。
預金ではありませんが、元本保証で利金が確定している預金と変わらない商品もあります。その代表が、大手証券会社がやっている個人向け国債のキャッシュバックキャンペーンです。
ポイントは、本来の利率に注目するのでなく「キャッシュバック取り」に専念すること。個人向け国債は1年経過すれば解約可能です(ただし、その場合、利金は返すことになります)。なお、そのときの国債利率がお得な水準なら、解約しないのも1つの手です。
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