V字回復しつつある「クーリッシュ」のフレーバー展開が面白い水曜インタビュー劇場(アイス公演)(6/7 ページ)

» 2015年05月20日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

商品開発担当者の「情熱」がポイント

クーリッシュ とろけるマンゴー

土肥: 試食アンケートなどを行って、その結果を参考にされるわけですよね。新商品の発表会の席で担当者が「この商品は、アンケートで約9割の人が『おいしい』と回答しました」などと強調されることがあるのですが、調査結果がよくても売れるとは限りませんよね。はっ、決して御社の商品を言っているわけではありません。

広報: お菓子を食べて「おしくない」という人はほとんどいませんしね。

土肥: 「おいしくない」という人は、そもそも甘いモノが嫌いなのかもしれません。調査にはバイアスがかかると思うので、すべてを参考することはできないはず。であれば、最後はなにが決め手になるのでしょうか?

北村: 担当者の「情熱」……らしいですよ。

土肥: らしいって、人ごとですね(笑)。

広報: 担当者です(きっぱり)。

北村: 例えば、5月に「とろけるマンゴー」という商品を発売するのですが、この商品は私が担当しました。会議の席でプレゼンを行うのですが、そのときに担当者が不安を感じていたら上層部にも伝わって「大丈夫かな、本当に……」となるんです。

土肥: そわそわしてはいけないということですね。

北村: 商品のことを理解して、「これならいける!」とアピールしなければいけません。

土肥: では、新商品のとろけるマンゴーにはどのような情熱が詰まっているのですか?

北村: き、厳しい……ご質問ですね(苦笑)。とろけるマンゴーは7年ぶりに発売するのですが、お客さんからは「復活してほしい」「もう一度食べたい」という声がありました。ただ、2008年のモノと同じ味ではダメ。当時と違って今のお客さんはマンゴーに触れている機会も多い。なので、味を変えました。

土肥: どのように?

北村: 当時と今のマンゴーの味にどのような違いがあるのか。マンゴー味の商品はたくさんあるので、それらを集めて分析したところ、よりマンゴーに近い味を好む傾向があることが分かってきました。その結果、果汁を8%から10%にしました。

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