「いかにお客さまに喜んでいただくか」は筋違い!?顧客満足度(2/4 ページ)

» 2015年06月19日 12時39分 公開
[松井拓己INSIGHT NOW!]
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顧客満足の定義って? ここから重要なポイントが見えてくる

 これまでとことん顧客満足向上について議論し、活動してきた企業でも、「顧客満足の定義は?」と聞かれると答えに困ってしまうケースが少なくありません。実はこの定義をしっかりと理解すると、極めて重要なポイントが浮かび上がります。それでは、顧客満足とは一体どういうものなのでしょうか。

 「顧客満足は、お客さまがサービスを受ける前に抱いている事前期待を、サービスを受けた後の実績評価が上回ったときに得られる」

 これが顧客満足の定義です。言われてみれば当たり前の内容でイメージ通りという印象を持った方も多いのではないでしょうか。実はこの定義から、顧客満足についての2つの重要なポイントが浮かび上がってきます。

 1つ目は「顧客満足は絶対値ではない」ということです。つまり、事前期待と実績評価の「相対値」で顧客満足は決まるということです。

 そして2つ目が、今回のテーマでもある「“いかにお客さまに喜んでいただくか”という視点は筋違いだった」ということです。これはどういうことかというと、「いかにお客さまに喜んでいただくか」という視点での活動は、そのほとんどが「実績評価をいかに大きくするか」しか議論できていないケースが非常に多いということです。しかし先ほどの顧客満足の定義から考えれば、顧客満足は事前期待と実績評価の相対値なので、「実績評価」だけに着目して議論するのは筋違いだと言えます。お客様がどんな「事前期待」を持っているかを掴まなければ、顧客満足を得ることはできないのです。

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