3カ月後、日経平均は2000円上がる?
多くの個人投資家は「今の株価下落は一時的なもの。3カ月後には株価は上昇する」と予測しているが、実際の取引は様子見ムードが漂う。保有したい銘柄はトヨタ自動車だが、注目度が低い業種ベスト3は……。野村證券調べ。
最近の株価下落は一時的なもので、3カ月後の日経平均は2000円ほど上昇している――。野村證券の調査では、米国のサブプライムローン問題(低所得者向け住宅ローン)以前の水準まで回復しているのではないか、と予測する個人投資家が多かった。
野村證券金融経済研究所は9月5日、個人投資家を対象にしたアンケート調査を発表した。インターネットによる調査で、株式投資経験がある個人投資家1000人が回答。調査期間は8月22日〜8月23日まで。
3カ月後の株価は上昇を予測、しかし様子見
8月21日の日経平均1万5901円に対し3カ月後の株価見通しは、「2000円程度」の回答が最も多く35.6%、次いで「1000円程度」が32.4%で、「下落」と回答した人は17.2%だった。日経平均が1万8000円の水準まで回復する理由として、「国内景気や企業収益などファンダメンタルズ(経済活動の基礎的な要因、経済成長率や物価上昇率など)は堅調に推移」「世界的な株価下落や急激な為替変動といった金融・資本市場の混乱は一時的なもの」「株価はファンダメンタルズを反映して上昇する」といった意見が多かった。
前回(8月)の調査では、今後3カ月の売買銘柄数を増やしたいと回答した人は32.6%だったが、今回は28.2%に減少。このほか投資金額、売買頻度、保有銘柄数、いずれも前回の調査と比べ減少した。多くの人が株価は上昇すると予想しているものの、実際の取引は様子見ムードが漂っているようだ。
注目度の高い業種は「素材関連」が7カ月連続でトップ
個人投資家にとって注目度の高い業種は、「素材関連」が7カ月連続でトップ、次いで「医薬品・ヘルスケア」「機械、造船、重機」だった。前月3位だった「資源関連」は7位に転落、代わって「医薬品・ヘルスケア」が入った。同社では「株式市場の環境悪化を受け、安定性の高い医薬品・ヘルスケアへの選好が高まった」としている。一方、下位3業種は「金融」「建設、不動産」「自動車、自動車部品」となった。
関心のある金融商品は、国内株式が32.2%でトップ、投資信託8.6%、定期預貯金8.4%のほか、先物商品では貴金属が3.3%という結果が出た。1月の調査と比べ、外国為替証拠金取引(FX)が8位から5位に上がり、「個人投資家へ広く浸透したことがうかがえる」(同社)。さらに「外貨預金」や「外国もの株式」を選んだ理由として、「高い収益が期待できる」が最も多く、同社では「国内ものの金融商品よりむしろ『外もの』を選好する傾向が強まっている」と分析している。
投資対象として保有したい銘柄は、トヨタ自動車が最も多く64人、次いで任天堂30人、新日本製鐵25人だった。
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