2008年に投資したい市場、したくない市場は?
世界的な株安を受け、個人投資家の間で悲観的な見方が広がっているようだ。株価の低迷を引き起こしているマイナス要因とは? 野村證券金融経済研究所調べ。
年明けからの世界同時株安――。依然として続く不安定な株式市場に対し、個人投資家の間では悲観的な見方が広がっているようだ。
3カ月後の株価の見通しを示す「ノムラ個人投資家サーベイ」によると、個人投資家の投資意欲は12.2で、2007年12月に記録した過去最低値を更新した(参照記事)。ただ先行きの株価に対しては、「大幅下落」と「大幅上昇」とに見方が分かれる結果となった。
野村證券金融経済研究所は、投資動向などを把握するためアンケートを実施した。インターネットを使った調査で、個人投資家1000人が回答。調査期間は1月22日から1月23日まで。
2008年に投資したい市場は「日本・主要市場」
株式市場に与えるマイナス要因は、「心理的要因」が最も多く31.5%、次いで「海外証券市場」が27.4%、「国内政治情勢」が23.2%。一方で企業収益をマイナス要因と見る人は15.7%で最も少なかったことから、市場に対する不安感が株価に悪影響を与えているようだ。
2008年に株式投資(投資信託での投資を含む)をするとした場合、最も投資をしたい市場を聞いたところ、東証・大証・名証1部の「日本・主要市場」が最も多く37.4%。次いで多かったのは「韓国、台湾、ASEAN諸国、インド」の14.0%、3番目に「ロシア、中東」の12.7%だった。この結果について「インドといったIT関連国やロシア、中東の産油関連国の市場に魅力を感じている人が多い」(野村證券金融経済研究所)としている。
ライブドアショック以降、低迷が続く新興市場の「ジャスダック、東証マザーズ、大証ヘラクレス」は4位と、まだまだ人気回復までには至ってないようだ。サブプライムローン問題で先行きの景気が不安視される「北米(米国、カナダ)」は1.3%で最下位だった。
一方で最も投資をしたくない市場は、「北米」がトップで24.3%、次いで「中国、香港」が21.4%、「ジャスダック、東証マザーズ、大証ヘラクレス」が20.9%。ここ数年「中国株ブーム」が続いていたが、割高感が出てきたためか、手控えムードが漂っているようだ。
またEU圏に関しては、投資したい市場で7番目、投資したくない市場で最も回答が少なかったことから、「個人投資家の関心そのものがあまり高くない」(同)と見ている。
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