2005年ごろから景気回復とともに、新卒採用は「売り市場」といわれているが、実際に就職活動を経験した学生はどのように感じているのだろうか。「かなり大変だった」(22.7%)と回答した新入社員の割合が、バブル期だった1992年(11.1%)の2倍以上に達していることが、産業能率大学の調べで分かった。
また就職氷河期といわれる2002年は、就職活動が「かなり大変だった」と答えた新入社員は24.1%と、今年との差はあまりない。一方で「かなり楽だった」という答えた新入社員はバブル期(1992年)は30.6%も占めていたが、今年は氷河期(2002年)の8.7%を下回る5.8%に落ち込んだ。就職活動の期間が長くなる傾向にあり、大学生の“就活疲れ”の実態がうかがえた。
アンケートによる調査で、新入社員740人が回答した。調査時期は3月下旬から4月中旬。
複数の内定をもらった学生、バブル期よりも増加
「何社から内定をもらったか」の質問に、「1社だけ」と回答したのは50.7%。ちなみにバブル期は61.5%、氷河期で63.2%と6割を超えていたが、内定を複数もらう学生の割合が、バブル期よりも増えているようだ。また複数の内定をもらうことに対して、「優越感がある」はバブル期の19.0%から今年は22.5%に上昇。逆に「罪悪感がある」と感じたのはバブル期の35.9%に対し、今年は28.6%に低下している。
バブル期には、面接時にテレフォンカードや図書券などを学生に配っていた企業もあったが、昨今の売り低市場はどのような“囲い込み”をしているのだろうか。具体的には「交通費が出た」(33.5%)「製品やグッズなどおみやげをもらった」(31.3%)といった事例が目立った。また内定後では、内定式の開催が4割、同期または先輩との懇親会が3割、内定者研修も2割の学生があったと回答した。
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