“作る”と“食べる”がつながる、ながしま農園の野菜づくり:郷好文の“うふふ”マーケティング・特別編(4/4 ページ)
わずか1.2ヘクタールの農地で120品目もの野菜・加工品を生産・出荷。非効率とも思える多品種少量出荷でも利益を上げているのが、三浦半島にあるながしま農園だ。自然農法にこだわり続けて成功しているながしま農園の強さの理由とは?
“作る”と“食べる”をつなげる
燃料高の影響で肥料は2倍に値上がりし、さらに3割アップ。“暖房機システム農業”は破たん寸前だ。地方ほど高齢化する就業者層も問題がある。都心の定年退職者で就農したい人も増えてはいるが、いったい何年働けるというのか? “趣味”で野菜を作られて安く販売されると、かえって農家経営が圧迫される。日本の農業はどうすればいいのか? 多くの人が農業政策や生産技術を論じるが、長島さんはこう言う。
「食卓の変化を考えればいいんですよ」
この30年で日本の食は大きく変わった。外食の大衆化からグルメへ、さらに中食ブームや健康・安全志向。しかし、食卓は大きく変化したものの、農業は変わっていない。だから消費者の変化に少しだけ気付くことができれば、農業なら成功する可能性が高い。
ながしま農園が高い収益率を誇るのは、自分や地元に向き合った野菜づくりがおいしさになり、流通業に理解者を広げ、消費者に支持されるからだ。“作る”と“食べる”がつながり、「毎日食べる野菜と豊かに出会いたい」という私たちひとりひとりの思いとつながっているのだ。
ながしま農園のヤングコーン、Cherryさんはフリット(フライ)にした。筆者は生でかじった。うまかった。これが、食ビジネスの出発点である。
ビジネスセミナー開催のお知らせ
4月3日掲載の本連載記事「お前が変えてみろよ、おしぼりの価値観ってやつを」で取り上げた、藤波タオルサービスの事例研究セミナー『ウチの会社を変えよう!イメージ刷新からのぎゅっと“価値観改革”』を、7月24日に開催します。
セミナー第1部では、おしぼり会社の若き2代目、藤波克之さんがゲストとして登場。おしぼり市場やおしぼりブランドについて、熱く語っていただきます(冷たいおしぼり付き!)。第2部、第3部では郷好文氏が、ウチ(会社)とソト(お客さま)の価値観を変える改革について講演します。堅苦しくないセミナーですので、ぜひご参加ください。くわしくはこちらへ。
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