矢野経済研究所は11月10日、「オタク市場」※に関する調査結果を発表した。それによると2007年度のオタク市場は、電子コミック(前年度比147.5%増の250億円)、同人誌(同13.5%増の553億円)、フィギュア(同8.3%増の260億円)、コスプレ衣装(同6.8%増360億円)、鉄道模型(同5.6%増の152億円)と、大きく拡大していることが分かった。
※オタク市場:オタクの聖地である秋葉原などで扱われることが比較的多いコンテンツ及びその関連コンテンツ。
対前年度比で最も伸ばしたのは電子コミックだが、その要因として「携帯電話の画面の大型化やコンテンツの読み込み速度アップなど、高機能化でストレスなくコミックを読める環境が整った。その結果、携帯電話向けのコンテンツ配信や作品数の増加が寄与している」(矢野経済研究所)と分析した。一方で減少したのは「メイド・コスプレ関連」が対前年度比−18.6%の105億円、アダルトゲームが同−2.8%の341億円、AV(アダルトビデオ・DVD)が同−7.0%の615億円だった。
1990年代後半ころから、急速に成長してきた「オタク市場」。今後も拡大傾向にあると見られるが、拡大幅は次第に減少していくという見方もある。「ここ数年で『オタクコンテンツ』のメジャー化・一般化が進み、市場が飽和しつつある。例えば同人誌では、マンネリ化による参加者の減少が危惧(きぐ)される」という。
同社専門研究員による面談または電話・ファックスによる調査で、期間は7月〜10月。
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