「貯蓄」志向が急増……新社会人の堅実な考え方
今春に就職する新社会人はどのような仕事観を持っているのだろうか? キリン食生活文化研究所の調査によると、「入社が決まっている会社でずっと働きたい」という考え方が増えていることが分かった。
あなたの仕事観は? 今春社会人となる20歳以上の男女に聞いたところ「入社が決まっている会社でずっと働きたい」(55.4%)がトップであることが、キリンホールディングスのキリン食生活文化研究所の調査で分かった。
調査を開始した2005年の結果を見ると、「入社が決まっている会社でずっと働きたい」という人は34.6%だった。昨年は米国発の金融危機をきっかけに「派遣切り」や「内定切り」など、雇用不安を感じさせるニュースが多かった。先行き不透明感が漂う中、就職を控えた学生らにとっては“生涯一企業”の考え方が広がっているようだ。
このほか「会社では是非出世したい」が43.6%で、2005年と比べ3.7ポイントの増加。「仮に転職しても自分のやりたい仕事をやりたい」は32.7%と、同15.8ポイントも減少した。
どのくらいまで出世したいかと聞いたところ、男性は「役員クラス」(35.2%)がトップで、昨年と比べ5.5ポイントの増加。また10年後の年収を予想してもらったところ、「400万円〜500万円」が最も多かった。年収は、昨年と比べると500万円より高い年収を予想している人は減少したものの、400万円より低い年収を予想している人は増加した。
インターネットによる調査で、全国の20歳以上の男女806人(男性290人、女性516人)が回答した。調査期間は2月23日から3月15日まで。
憧れのビジネスマンとビジネスウーマン
新社会人は、仕事のほかにどんなことをしてみたいと考えているのだろうか? 最も多かったのは「貯蓄」(64.5%)で、昨年の50.4%から大幅に増加した。このほか「資格の取得」(61.5%)、「スキルアップを目的とした自己啓発」(60.4%)、「良い人間関係を築く」(59.5%)という結果に。「経済不安に対して、自己研さんの努力や人間関係に気を配りながら、堅実に乗り切ろうとする姿勢がうかがえた」(キリン食生活文化研究所)
また憧れのビジネスマンとビジネスウーマンを男女1人ずつ挙げてもらったところ、男性の1位は「ビル・ゲイツ(Microsoft会長)」、2位「松下幸之助(パナソニック創業者)」、3位「渡邉美樹(ワタミ会長兼CEO)」。一方、女性の1位は「勝間和代(経済評論家)」、2位「野口美佳(ピーチ・ジョン社長)」、3位「ヒラリー・クリントン(米国務長官)」だった。
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