進路を変更・断念する理由――進学率70%以上と30%未満の高校で違い
高等教育を受けられる家庭の格差は広がっているのだろうか? 「格差が広がっていると思う」と回答した大学は7割、高校は9割と、大学・高校ともにその意識は強い。ライセンスアカデミー調べ。
高い学費が原因で、大学に進学できる家庭の格差は広がっているのだろうか? 高等教育を受けられる家庭の格差は広がっているか、と聞いたところ「そう思う(とても+やや)」と回答した大学は69.7%、高校は87.6%に達していることが、ライセンスアカデミーの調査で分かった。高校の約9割が「格差が広がっている」と回答したことについて、「生徒の状況を身近で見ているためか、格差の深刻さを強く感じているようだ」(ライセンスアカデミー)としている。
生徒は進路変更をする際、どんな理由が多いのだろうか。希望進路を変更・断念した理由を聞いたところ、「学力」が最も多く78.4%、次いで「費用」(75.5%)という結果に。2007年の調査でも「学力」(64.1%)と「費用」(62.1%)の回答が多かったが、今回は学力と費用の回答率が高まった。
進学率別に見ると、進学率70%以上の高校では、進路変更の要因として「学力」(91.3%)の回答が多かった。一方、進学率の低い高校では「費用」の回答が目立ち、進学率30%未満の高校では89.3%に達した。進学率が上がっていくにつれて、費用面を理由とする高校の割合は少なくなり、進学率90%以上の高校では45.0%にとどまった。
学費について意見を聞いたところ「経済的理由を子どもに話す親が増えてきている。その結果、選択の幅が狭まり、子どもたちは本当にやりたいこととは違う進路を考えているようだ」(新潟県、私立高校)、「経済的なことに関して、保護者にどのように話すのがよいのかと、いつも苦労している。経済的問題からの進路変更だったとしても、その理由を話さない親も多い」(福岡県、私立高校)、「4年間で約400万円〜500万円の学費を貸与奨学金でまかなっても、今の時代、卒業後の就職が不安定で返済が厳しいので、生徒には勧めていない」(大阪府、公立高校)といった声があった。
ファックスによる調査で、高校(進路指導担当者)1207校と大学(入試広報担当者)360校が回答した。調査期間は2008年11月22日から12月6日まで。
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