わずか3年でトップブランドに――ライオン「キレイキレイ」の強みとは?(2/2 ページ)
1997年に登場し、わずか3年後にハンドソープのトップブランドとなったライオンの「キレイキレイ」。その背景には「絶妙なネーミング」と「物語(ストーリー)性」の2点があったと筆者は分析する。
エモーショナルバリューも付加
キレイキレイは、近年、情緒価値(エモーショナルバリュー)の付加にも力を入れています。例えば、2008年には、「マスカット」「チューリップ」の香りのハンドソープを限定販売。また、2009年3、4月には、泡タイプのハンドソープに、「かわいい泡がつくれるキャップ」を組み合わせた販売をスタートしています。このキャップ、ライオンの包装技術研究所が約10カ月をかけた力作で、「くまさん」「お花」の2種類の形状をした泡が出せるようになっています。
香りを付けようが、かわいらしい形を付けようが、キレイキレイが本来持つ「殺菌、消毒」といったハンドソープの基本的価値には変わりがありませんよね。しかし、「楽しさ」「心地よさ」といった“情緒的価値”を付加することにより、理屈を超えたところでの、新たな購入理由を消費者に与えることができるため、競合対策上、極めて有効な施策だと言えます。
こうしてパワーブランドに成長したキレイキレイは、そのパワーを生かしてブランド拡張を図っています。最新の製品ラインアップを眺めてみると、「石けん」や「ボディソープ」「消毒液」「うがい薬」といった関連性の強いアイテムだけでなく、「除菌&漂白(漂白剤)」「除菌スプレー」「生ゴミ消臭スプレー」などキッチンまわりの製品が増えていて驚きました。
家庭用品は、言うまでもなく“主婦”がターゲットですから、このブランド拡張も大きな成果をもたらしているようです。(松尾順)
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