逆転のカギは「BIG」、死地から甦ったサッカーくじ(4/4 ページ)
2001年に華々しく登場したものの、一時は売り上げ不振に陥ったスポーツ振興くじ。しかし、2006年に運営体制を変更し、さまざまな施策を進めたことで売り上げは急回復した。その好調の理由を日本スポーツ振興センターの真下智子氏と森田佳樹氏に尋ねた。
身近にスポーツに親しめる環境作りのために
2008年シーズンに981億円と過去最高の売り上げを記録したスポーツ振興くじ、2009年シーズンも第426回(10月24日)時点で615億円の売り上げを記録している。この売り上げの中から助成金が捻出されるが、「『助成金で地域の運動公園のグラウンドが芝生化された』というニュースを見たり、助成を受けていた選手がオリンピックに出場し、活躍をされたという話を聞くと、スポーツ振興くじも少しは貢献できているのかなと感じます」(真下氏)
国のスポーツ振興政策の一端を担うものとして導入されたスポーツ振興くじでは、収益がさまざまなスポーツ分野に助成されている。「これまでは、収益をあげるための広告宣伝に注力せざるをえなくて、事業理念広報になかなか力を入れることができませんでした。しかし、助成財源が確保できるようになった今、収益が何に使われているのかということをきちんと広報していかなければならないと考えています」と森田氏は話す。
その一環として、JR新宿駅東口改札内の通路の一部を芝生にして、「芝でプレーするよろこびが、みんなのものになりますように」というメッセージを発信したほか、スポーツ振興くじの助成金で芝生化されたグラウンドで親子で参加できるサッカー教室を開いて、スポーツの楽しさや芝生の心地よさを実感してもらうといった試みも行っている。
「過去最高の売り上げということはよく取りあげていただくのですが、それはつまり過去最高の助成金を確保したということになります。その助成金でみなさんの身近なところにあるグラウンドや地域のスポーツ活動の拠点となる学校にも芝生が増えているんだよ、といったことをPRしていきたい。そして、それだけの助成金をこれからも確保できるように、売り上げを伸ばしていかなければなりません」と真下氏は抱負を語った。
関連記事
- テレ朝・角澤アナが語る、スポーツ実況の内幕
早稲田大学スポーツ産業研究所は7月10日、早稲田大学大隈小講堂で公開フォーラムを開催、テレビ朝日アナウンサーの角澤照治氏がスポーツ実況に10数年関わった経験を語った。 - どんなスポーツ中継が好きですか?
- テレビ観戦するスポーツは何ですか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.