「いつまでそこにいるの?」――人はいつ、どこで“フミダス”のか?:郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)
新年は何かに踏み出すにはもってこいの時期。生涯学習のユーキャンも新年に合わせて“フミダスムービー”というキャンペーンを始めて、資格学習をうながしている。私たちはどんな時、どんな場所で踏み出そうと思うのかを考えてみた。
人はいつ、どこで踏み出すのか?
では、人はいつ踏み出しやすいのだろうか? 時期にはパターンがありそうだ。
1年で見ると年末年始、4月といった変わり目は踏み出しやすい。気が緩みがちな暑い季節より、冷え込んだり、寒風が吹くころが踏み出しには似合う。行事やイベントもきっかけとなりうるが、むしろ月の満ち干きのような心を上下させる自然要因が重要な気がする。
踏み出しやすい曜日は何曜日か? 日曜はサザエさん症候群で月曜も仕事始めでブルー。案外、木曜日だろうか。その週の仕事があらかた片付き、翌週の計画を立てる頃合いが木曜日。バッファーの曜日なので思考に向く。踏み出しやすいのは何時? 朝型・夜型にもよるが、昼でもなく夜でもない17時前後に「ピン!」ときませんか。いずれも確たる根拠はないが、アンケートをとるとおもしろいテーマだろう。
人はどこで踏み出すのか? 書店は踏み出しやすい。私が中小企業診断士の勉強を始めようと思ったのは出張先のある書店だった。何となく手にした本が自分にフィットした。ケチなのでその本は買わなかったが(笑)、その本屋さんから踏み出したことは一生忘れない。本屋さんは年初に資格コーナーを充実させて、いすの数脚でも置くといいだろう。
もちろん体験レッスン、インターン、見学など体験の場はきっかけになる。自分と向き合えること、アドバイスをもらえることが、踏み出す場の条件である。
カラを破り、カラを作る
『捨て猫OL』ではファイナンシャルプランナーに合格したマユミが、自分にご褒美を買う。それは両手を伸ばしても足りないほどの大きさのタラバガニ。甲殻類好きのOLという意味不明なキャラ設定は、山下監督の「自分の殻(段ボール)に閉じこもるな、自分の殻(=資格取得)を作れ」という独特なギャグだろう。
何十年もの仕事人生、しかも激変の環境下。1つのカラで生き残れるほど甘くない。カラに求められることも変化するし、カラは立派でも中身が陳腐化するのは早い。ツヤツヤした甲殻とジューシーな中身を持ち続けるためにも、私たちは踏み出していくしかないのだ。
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