日本と中国はどう違う? 未就学児の教育事情
孟母三遷という言葉もあるように、昔から教育が重視されていた中国。未就学児の教育事情を調べると、日本では身の回りに関することへの関心が高い母親が多かったが、中国では子どもの教育に直結した分野を重視している母親が多かった。矢野経済研究所調べ。
成長著しい中国。孟母三遷(もうぼさんせん)という言葉もあるように、昔から教育は重視されていたが、日本とどのように異なっているのだろうか。
矢野経済研究所の調査によると、日本の3〜6歳の未就学児を持つ母親と北京・上海の3〜6歳の未就学児を持つ母親に「育児で関心の高いこと」を尋ねたところ、日本では1位「生活習慣(早寝早起きなど)」(53.4%)、2位「あいさつ・礼儀」(46.2%)、3位「栄養管理(好き嫌いをなくす)」(33.1%)など身の回りに関することへの関心が高かったが、中国では1位「学力向上」(67.3%)、2位「体力向上」(61.3%)、3位「習い事」(46.0%)など、子どもの教育に直結した分野を重視している母親が多かった。
習い事の状況を見ると、日本では42.9%しか習い事をしていないのに対し、中国では88.0%が習い事をしていた。習い事の種類では、日本では1位「水泳」(35.2%)、2位「体操・リトミック」(25.7%)、3位「語学・外国語会話」(20.5%)、中国では1位「幼児教育(知育など)」(31.8%)、2位「バレエ・ダンス・舞踊」(22.7%)、3位「水泳」(22.0%)と傾向が異なっていた。
将来的な教育スタンスについていくつか質問すると、日中で大きく傾向が異なっていたのは「生活レベルを落としてでも教育へは惜しみなく費やす」(日本10.6%、中国70.7%)、「子どもが勉強するためには親の介入は不可欠」(日本25.4%、中国57.3%)、「子どもの自主性を重んじ、親としては教育に対して介入はしない」(日本7.6%、中国47.3%)。矢野経済研究所では「中国では多くの人は教育に対して熱心であるが、その取り組みには大きな差が生じている」とコメントしている。
インターネットによる調査で、対象は日本の3〜6歳の未就学児を持つ母親489人と北京・上海の3〜6歳の未就学児を持つ母親150人。調査時期は2010年5月。
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