日本人以上の就職難――ベトナム人留学生、日本で就活をする:郷好文の“うふふ”マーケティング(3/3 ページ)
ひょんなことから筆者が関わることになった、ベトナム人留学生の就活を支援する“フォー・プロジェクト”。その背景には、外国人留学生が日本社会で十分に活用されていない現状があった。
フォーとラーメンをつなげる
とはいえ、学生を喋らせるのは簡単ではない。試行錯誤の末たどり着いたのが、机を取っ払って輪になって座り、講義ではなく雑談、自分から語るようなスタイル。
メニューも工夫し、就活トピックス編では「質問の仕方ハウツー」「会社HPの就活分析」「面接の黄金法則」などすぐに役立つノウハウを、文化・歴史編では両国の「世界遺産」「伝統芸能」「性格」などをテーマにする。さらに、最近ハマったことを語る“1分間スピーチ”では、日本語で汗をかいてもらう。ワイワイやりながら、ベトナムのフォーはだんだん日本のラーメンとつながっていく。
この度、タイミング良く参加者から内定が2人もでた。ゴクさんは大手IT企業、パンクさんはエンターテインメント系開発企業に。僕らの小さな支援で、彼らのでっかい笑顔を見ることができた。MP研の“就活の母”ホアさんも大喜びだった。
意欲的な若い留学生を受け入れれば、停滞気味の企業も、老いた国もフレッシュになる。留学生の母国とも仲良くなり平和が広がる。もちろん、おいしいフォーだって、たくさん輸入される。
成長と開国はいつの時代でもトレードオフ。参加・不参加で迷うTPPもそこが試されている。西洋医学の最新情報を伝えたシーボルトからサッカー日本代表のザッケローニ監督まで、振り返れば日本は外から優れた人を受け入れて成長してきた。これからもそうなのだ。
PHOプロジェクト第1期は12月で終了。しかし、第2期として引き続きベトナム人留学生の参加者を募集している(日本語レベルに合わせて実施)。講義費用は無料なので、関心を持たれた人はMP研の問い合わせフォームまでぜひご連絡を。
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