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改正著作権法に思う、文化成熟国家には著作権“活用”法を!:郷好文の“うふふ”マーケティング(4/4 ページ)
先日、筆者が運営するアートギャラリーが地上波TV番組に取り上げられた。放送を見逃した筆者が知人にDVDで焼いてもらったところ……。
著作権保護だけでなく“活用”こそ必要
戦後の日本企業も欧米の模倣で経済発展を遂げた。単なる模倣ではなく素材活用、製造工程、売り方……あらゆる段階で工夫を入れた。本家を超えたと言われるセブン-イレブンはその象徴である。
今、ソーシャルネットワークではみんながシェアという複製を通じて、みんなを楽しませ、知識を広げ合い、創造をし合っている。
そのまんまの複製は盗用だ。だが敬意をはらいアイデアを加えればちがう。どこまでが盗用でどこからがオマージュか、法律では規定しにくい。それは器がある人が見れば分かる。
私には著作権をめぐる近年の動きが、広めたい・再創造したいという人の根本欲求を無視して、保護ばかり進めているように見える。保護はもちろんだが、再創造をウィンクして楽しむのは人の性だ。成熟した文化国家に必要なのは“著作権活用法”だと思うのだ。
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