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インタビュー

Webに、超一流作家のコンテンツを出せる場所を――cakes代表・加藤貞顕氏インタビュー(7/7 ページ)

9月11日にスタートした「cakes」は、1週間150円の購読料で全記事が読み放題、という新しいサービスだ。インターネットのコンテンツビジネスはどうなる? 出版は? 電子書籍は? cakesを立ち上げた編集者・加藤貞顕さんに聞いてみた。

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タブレット、スマートフォンへの最適化

――デバイスとして意識しているのはスマートフォン、タブレットであるとの話がありました。cakesは、スマートフォンやタブレットで読まれるべきサイト、ということですよね。「新しいデバイスとそれに最適化されたコンテンツ形態」というテーマで見ると、過去にはケータイ小説というケータイならではのコンテンツがありました。加藤さんは、ケータイ小説をどのように見ていましたか。

加藤 ケータイ小説は結構読みましたが、作る過程も含めて、携帯(ケータイ)というデバイスに最適化されて出てきたものと思います。同じようにスマートフォンっぽいものはこれから出てくるはずです。cakesではスマートフォン対応はまだ途中ですが、これから進めていくつもりです。

 コンテンツサイズや最適化というと、タブレットだと2000文字、長くても4000字くらいが読みやすいだろうということで、著者の方にはコンパクトに収めるようお願いしています。Webだと対談記事など全部掲載することができますし、ノーカットの長いコンテンツが好まれるといったこともあったりしますが、cakesではコンパクトさを心掛けています。長いものになると回を分けて掲載するなどしていますね。

 デバイスに向けてのコンテンツの最適化としては、スマートフォン向けについては一覧性を高めて見やすくするなどの調整をこれからしていきます。この記事が出るころには対応第一フェイズが終了していると思います。たぶん終わっているはず。あとは、各デバイス向けの専用アプリも用意したいですね。

――プロモーションと事業リスク管理といったところで、ソーシャルとの距離感や炎上問題をどのようにとらえていますか。どこで線引きするのが良いものでしょう。

加藤 ソーシャルとの距離感は難しくて、炎上しても全然大丈夫という人から、Amazonで悪いレビューがあったら地獄の底まで落ち込んでしまう人まで千差万別です。現状はソーシャル連動を強くは進めていませんが、記事の下にコメントを同時に表示したり、むやみにはつなげないですが、やりたい人は選択できるようにはしていきたいです。

――プラットフォームとして広がってコンテンツバリエーションが出てくると、全部一か所にまとめるのもかえって分かりづらくなってしまいそうです。チャネルやブランドを分ける考えはありますか。

加藤 ファッションだったらファッションという風に分けていくのはしたいです。ゆくゆくはケーブルテレビのようなメニュー構成は意識しています。

 「メディアがいてコンテンツを作る、増やす」というよりも、「コンテンツがあってメディア側がくくり方をコンテンツに合わせて調整していく」という形になっていくのではないでしょうか。特定個人のくくり方に価値があるのであれば、個人のまとめたものを見せていくようなこともしていきたいですし、そうできるように実は準備もしてあります。これからネットは、コンテンツが盛り上がりますよ。いろいろ面白いことができそうで楽しみです!

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