なぜ権力者は不倫をするのか オンナで破滅したCIA長官:伊吹太歩の世界の歩き方(4/4 ページ)
CIA長官デービッド・ペトレアスが不倫を理由に辞任した。「英雄色を好む」ではないが、なぜ権力者たちは不貞行為に走るのか?
なぜ、権力者は不貞を働くのか
ではなぜ、権力者は不貞を働くのか。「英雄色を好む」という言葉で片付けてはいけない。ミシガン州のオークランド大学の社会学博士であるテリー・オーバックは、こう分析している。
まずは、その権力ゆえに「不倫をしても見つからない」もしくは「権力で隠せる」と思っていること。また長期的な影響よりも、短期的な「利益」を考える。
権力のある男性は、社交場に出ることが比較的多く、出会いがある。さらに家をあけることが多く、中長期で出張などに出ることも多い。
権力のある男性は、大きな責任など大きなストレス下にあり、その状況でもハイパフォーマンスで仕事をこなせる人が多い。そういう人は、どんどん「先に進む」ためにプライベートでも同様の興奮や挑戦を求める。不倫はそうした高揚感を与える。
こうした分析が行われるほど、権力者の不貞はもはや珍しくない。このほか、権力者は「経済的に余裕がある」というのも不倫関係を維持するのに必要な要素だろう。そして何よりも、権力の有無に関係なく、性欲が強く、そこにストレスのはけ口を求めているケースもあるのではないだろうか。
ただ、なぜ権力者は不倫するのかといっても、世界にどれだけの権力者がいて、そのうちのどれだけが不倫しているかは、統計があるわけではないので分からない。もちろん権力者でなくとも不倫はする。だが権力者の場合は目立つことが確かで、バレたときの打撃はでかい。著名人であればあるほど、そのキャリアは一瞬で吹き飛び、家族が完全に崩壊する。
ペトレアスの不倫相手だったブロードウェルは、かつて「ペトレアス大将の生きる掟」という記事を書いている。そこでペトレアスのリーダーとしての流儀から学べることを紹介している。
「私たちはみんなミスをする。カギとなるのはそれを受け入れ、そこから学ぶこと」
何と皮肉なことだろうか。
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