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若い自分のままで150歳まで生きられるとしたらどうしますか?伊吹太歩の時事日想(3/4 ページ)

150歳まで生きられる人間はすでに存在している可能性が高い。そして20年以内に寿命は1000歳まで伸びる……かもしれない。寿命が伸びれば「老後」の考え方も変わってくる。

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毎日10万人が老化で死んでいる

Aubrey de Grey
オーブリー・デグレイ博士

 デグレイ博士の理論とはどんなものか。彼によれば、老化には7つの要素(体に老化するためのダメージを与えるもの)しか関わっておらず、それを修復さえすれば人間はもっと長生きできると言う。その7つをまとめると、細胞の分裂・再生、細胞内外に残る分解されて残った「ごみ」、染色体の変異、細胞同士を結びつける架橋結合の変化といったダメージだ。これらを正常化できれば人は老化しないということらしい。

 デグレイ博士によれば、世界で毎日15万人が死亡しているが、そのうちの3分の2が老化により死亡しているという。つまり10万人が毎日、先に挙げたダメージによる老化現象の結果で死亡しているということになる。「私の言う老化を起こす7つのダメージは、過去14年間に多くの研究者たちによって徹底的にテストされてきたものであり、非常に将来性のある研究結果をベースとしている。だからこそ私の主張は非現実的なものではない」と、彼は自信を示す。

 さらにデグレイ博士は続ける。「現存はまだ老化へのダメージに抵抗する方法が確立できていないから、人間は今のところ130歳くらいまでしか生きられない。だがダメージを治療する薬を開発するなど医療が進めば、老化へのダメージが作り出されるスピードよりも先に修復ができ、致命的なダメージを人が受けることは永遠になくなる」

 その上で、こんな世の中になると主張する。「現在30歳の人なら、60歳になるころに老化ダメージを修復する治療が登場して、それからは若年成人たちと同じ死亡率で生きていくことが可能になる。しかも覚えておいてほしいのは、精神的にも肉体的にも、若年成人とまったく同じ状態で長く人生を過ごすことになるということだ」

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