オリンピックがもっと楽しくなる? こんなにあった「スポーツの男女差」:博報堂・吉川昌孝のデータで読み解く日本人(3/4 ページ)
ソチ冬季オリンピックが開幕しましたが、みなさんは「スポーツする派」「みる派」どちらでしょうか? 今回のコラムは、やるかやらないかとはちょっと違う、男女差という観点から、スポーツ意識やその行動の傾向を明らかにしました。
「人に教えられる」男子、でもやり過ぎは禁物
自ら積極的にスポーツをする男子、誰かにスポーツを教えてもらいたい女子。意識も実態も乖離(かいり)している両者ですが、次のデータはスポーツが男女を結びつけるきっかけになるかも、と思わせるものです。「人に教えられる趣味やスポーツがある」に関しては恒常的に男高女低。男性が3割前後、女性が2割弱で常に10ポイント以上の差があります。またその傾向は年代別にみると若い男性ほどこの傾向が強く、女性では若いほど「教えてもらいたい欲求が強い」。つまり、若い男女ほど、同年代同士でスポーツを教える・教えられるという関係が生まれる可能性が高いと言えないでしょうか。
ただし、ちょっとだけ注意すべきことがあります。いくら女性が教えてほしいと思っていても、熱くなりすぎてはいけないのです。そもそもスポーツに対して受動的で、あまり自分から積極的に動くほうではない女性は、スポーツに関する情報についても男性ほど高い関心を持っているわけではないのです。
「関心のある情報:スポーツ」では、男性の約半数がスポーツに関心を持っているのに対し、女性は20%前後で、なんと30ポイント近く男女差があるのです。また「趣味やレジャー、スポーツを楽しむ時は、道具やファッションにこる方」でも、女性は男性よりも若干ですが低い値です。要するに女性はスポーツの周辺情報や道具の蘊蓄(うんちく)には、男性ほど興味がない。もっというなら、そういうことよりも、とにかくスポーツを「教えてもらいたい」だけで、できるようになればいい、というぐらいの割り切りがありそうです。
男性がスポーツを教えるがあまり、力が入りすぎて、周辺のいろいろなことを語りすぎると、却って女性のスポーツへの興味を削いでしまい、元も子もなくなってしまうかもしれませんね。スポーツで女性と向き合う時に、以上のことを男性は少しだけ心に留めておいたほうがいいでしょう。
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