葛西選手の銀メダルから考えた「広がる主役年齢」:博報堂・吉川昌孝のデータで読み解く日本人(4/4 ページ)
ソチオリンピックで銀メダルを獲得した葛西選手。冬季五輪で、日本人選手最年長の記録になったのも記憶に新しいところ。このニュースをきっかけに、ここ数年の日本人メダリストのメダル獲得年齢を調べてみたところ……。
「若者が主役の世の中だ」とは思わない?
私たち(博報堂生活総合研究所)の生活定点調査には「若者が主役の世の中だと思う」という質問があるのですが、その数字はどんどん下がっています。
「今は高齢化社会だから」「若者にチャンスが与えられにくい時代だから」と言われます。確かに、日本人の平均年齢は上がっています。今や40歳を超え、2030年には50歳を超えるという予想もあります。若者だけが主役の世の中ではないかもしれません。しかし、今まで見てきたように、高齢者だけが主役の世の中でもないのです。
高齢化=ひとりひとりが長生きする、ということは、若い時はもちろん、そのあとの人生でもチャンスがあるということを、今回のいくつかのデータは示しているのではないでしょうか。10代でもメダリストになれると同時に、40代でもメダリストになれる。70代でも紅白歌合戦で歌えるし、それは10代にだってできる。70代でも街の正義の味方になれ、その時若い孫や娘たちも一緒に協力してくれる。
高齢化社会とは、いくつになっても何かできるかもしれないと思える社会――そんな風にとらえてみると、新しい目標や夢が描けそうですね。先日見たローリングストーンズのミックジャガーも、70歳で2時間歌いながらずっと動き続けてたもんなあ〜。昨年来日したポールマッカトニーは2時間以上のライブの間、1回も水を飲まなかったって言われてるし……。いつか街の正義の味方になるためにも、体を資本に鍛えておかないと!
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