エナジードリンクに新風“サラリーマン向け” 「リゲイン」市場参入、狙いは?:サントリー×第一三共がコラボ新商品(2/2 ページ)
活況のエナジードリンク市場に、サントリーが「リゲイン」ブランドを冠した商品で挑む。ターゲットはずばり「サラリーマン」。なぜサラリーマン向けか、なぜリゲインか。製品の狙いは何だろうか。
「強力なブランド」と「朝の習慣へ」で、先行する海外勢と「朝」商品に挑む
サントリーは第一三共ヘルスケアと、清涼飲料における「リゲイン」の商標を独占使用できるライセンス契約を締結。本家リゲインの風味や栄養設計を参考に、指定医薬部外品である栄養ドリンクには添加できない「炭酸」など、清涼飲料ならではの「体感と刺激」を加味した。
成分もライバル飲料の倍以上とうたう「(糖原性アミノ酸)アルギニン1000mg」をはじめ、ビタミンB1、B2、B6を日本人食事摂取基準値の一日分を配合し、「働く人が“起動”したいときにふさわしい栄養設計と体感・刺激感が得られる」よう設計した。
「なぜリゲインを選んだか、30〜40代の働く人を応援したいとするテーマにおいて、知名度、信頼感から最適・最強と判断した」(サントリー食品インターナショナルの北川部長)。リゲインのブランドはターゲット層へ強力に効く。「これなら会社で飲める」「手軽に買える」「効きそう/信頼できる」と感じさせるのが狙いだ。
エナジードリンク製品の飲用時間帯も、栄養ドリンクの“夜遊び用”から「朝に飲む」ものに変化している。ということは、エナジードリンク他社製品のほか、出勤途中に買う「朝専用」系の缶コーヒーやコンビニコーヒーなどもライバルになると想定できる。ともあれ、エナジードリンクがサラリーマンの「朝の習慣」として定着するのもさほど遠い未来ではなさそうだ。
あなたは24時間、戦えていますか?
(参考)エナジードリンクと栄養ドリンクについて
エナジードリンク、栄養ドリンク類は、ビタミン類やアミノ酸、漢方・生薬由来のエキスなど、疲労回復に効果があるとされる成分を含む飲料製品の総称。商品によって医薬品、医薬部外品(指定医薬部外品)、清涼飲料水に分類される。ドラッグストアでの販売になる前者に対し、後者の2つは自動販売機やスーパー、コンビニエンスストアなど身近な販売チャネルで購入できる。本稿ではサントリー、第一三共の製品カテゴリに沿い、清涼飲料水をエナジードリンク、医薬部外品を栄養ドリンクと書き分けた。
清涼飲料水は食品衛生法で定められた飲料と定義し、薬事法で規定された成分以外を使用可能。“炭酸”も添加できる。今回の「リゲイン エナジードリンク」は清涼飲料水である。一方、医薬部外品は、薬事法に定められた医薬品に準ずるもの。配合成分や量の制限はあるが、人体に何らかの改善効果をもたらすものとして認証を得た商品を示す(1999年に規制緩和)。清涼飲料水ではうたえない効能・効果や用法・用量を表現できる。
関連記事
- 「リポビタンD」には“自販機専用”のボトルがある(本当)
先週はIEの脆弱性に対するマイクロソフトの“神対応”に関する記事がトップに。韓国の旅客船「セウォル号」の沈没事故の記事も、引き続き注目を集めています。 - 栄養ドリンクの売れ筋が季節によって違うワケ
日夜働きづめのビジネスパーソンの強い味方となる栄養ドリンク。コンビニでも飲料売り上げの10%を占めているが、その売れ筋は夏と冬で異なっている。その理由は何なのだろうか。 - レッドブルが売れているワケ
2005年に日本に上陸して以来、徐々にファンを増やしている『レッドブル エナジードリンク』。日本参入当初、医薬部外品としての認可が取れずに、炭酸飲料として売らざるをえなくなったことが逆にブランドの拡大に貢献したと筆者は主張する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.