ニューバランスの愛国心がマネーに? 軍と愛国心ビジネスの関係:人に話したくなるコラム(2/3 ページ)
米国から軍に支給されるシューズの購入費の規定が変更された。手当てを使用する場合、「Made in U.S.A.」しか購入できなくなったのだ。しかし海外生産が多くなっている中で、米国製を見つけるのは至難の業。そこで救世主として手を挙げたのは……。
米軍が求める愛国心溢れる企業
ニューバランス社によると、2013年に米国で販売された自社製品の4足に1足は、国内生産もしくは国内で組み立てられたモノだという。厳密に言うと、素材や労働を含め、製品の70%以上を国内調達している場合に「Made in the USA」と表記している。ただこれでも、米軍の言う100%米国製である「Made in U.S.A.」の規定は満たせない。
だがニューバランスは、雇用に関しても、他ブランドよりも多くの米国人を雇っている。東海岸を中心に5つの工場で1300人もの従業員を採用し、地元経済の活性化と雇用創出、高品質な製品を生産していると自信満々だ。まさに、米軍が求める愛国心溢れる企業なのだ。
また、同社は歴史的にみても運命的なものを感じる。1906年にボストンで設立されたニューバランスは、もともと長時間立ち仕事をする人のために、鶏の3つのかぎ爪にヒントを得て開発されたアーチサポートというインソールなどを製造・販売した。そして、1960年に足幅に合わせてサイズが選べる世界初のランニングシューズを発売し、有名大学の陸上部が採用するなど口コミで一躍有名になった。
転機が訪れたのは現会長であるJim Davis(ジム・デービス)が、1972年に会社を買収してからだ。偶然にもその日は、Patriots' Day(愛国者の日)でもあった。
まさに、「Made in U.S.A.」のシューズを製造するブランドとして申し分ないバックグランドを持ち合わせている。そのニューバランスは、実はすでに100%米国製という難しい条件を満たすプロトタイプの製品を米国防総省に提出している。そして、そろそろ市場に出せるところまでこぎ着けているという。
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