少女300人を誘拐したボコ・ハラムが恐れる「死の呪い」:伊吹太歩の時事日想(1/4 ページ)
ナイジェリアでテロ行為を繰り返す組織「ボコ・ハラム」。300人以上の少女を誘拐し、約1万2000人を殺害してきた彼らだが、ここ数日で事件解決に向かうかもしれない、ある“異変”が起きているという。
著者プロフィール:伊吹太歩
出版社勤務後、世界のカルチャーから政治、エンタメまで幅広く取材、夕刊紙を中心に週刊誌「週刊現代」「週刊ポスト」「アサヒ芸能」などで活躍するライター。翻訳・編集にも携わる。世界を旅して現地人との親睦を深めた経験から、世界的なニュースで生の声を直接拾いながら読者に伝えることを信条としている。
ナイジェリアでやりたい放題の大暴れをしているテロ組織「ボコ・ハラム」。日本でも比較的大きく取り上げられているので、その名を聞いたことがある人も多いはずだ。
ボコ・ハラムと言えば、2014年4月に学校から少女276人を誘拐した事件が有名だろう。その後、ナイジェリア発の「私たちの少女を連れ戻せ」というキャンペーンが世界中で巻き起こり、米ファーストレディのミシェル・オバマやセレブたちがこのメッセージを掲げるなど、大きなムーブメントにもなった。ただ、事件発生から2カ月以上が経った今でも、少女たちの行方は依然として分からないままだ。
そんな騒動をよそに、ボコ・ハラムは相変わらずナイジェリアでテロ行為を続けている。6月だけでも、サッカーワールドカップのパブリックビューイング会場で、若者を中心に13人が死亡する爆破テロが発生。25日には首都アビジャのショッピングモールで爆発が起き、21人が死亡した。このほかにも各地で襲撃・誘拐事件などが発生しており、多くの被害者が出ている。
残念なことに、ボコ・ハラムのテロは減らないが、誘拐された少女たちについての報道はどんどん減っている。しかし最近、ひょっとしたら状況が動くかもしれないニュースが報じられた。カギとなるのは“処女”と“呪い”だという。
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