生産台数9000万台超! ホンダのスーパーカブがスゴい:仕事をしたら“世界で”売れた(7/7 ページ)
世界中で販売されているスーパーカブ(ホンダ)の累計生産台数が9000万台を超え、あと数年で1億台を突破しそうだ。50年以上前に発売されたスーパーカブは、なぜ今でも売れ続けているのだろうか。ホンダの広報部に聞いた。
スーパーカブがなければ
土肥: 最後にひとつ聞かせてください。ある人はこう言っていました。「スーパーカブがなければ、今のホンダはない」と。この意見についてはどう思われますか?
広報: そう思いますね。歴史を振り返ると、1958年にスーパーカブが誕生して、翌59年にはロードレース「世界選手権(WGP)マン島T.T.レース」に初めて参戦しました。このレースは「世界一過酷」と言われていて、会社としては「レースに勝てば、世界一になれるきっかけになるのではないか」と考えていました。レースに参戦するには膨大な資金が必要になるわけですが、その費用はスーパーカブでもうけたお金を使っているんですよね。
また、1964年の東京オリンピックが開催されたときに、F1に初参戦しました。F1に参戦するのにも莫大な資金が必要になりますが、そこでもスーパーカブでもうけたお金を使っているんですよ。当時のホンダはまだクルマをつくっていなかったので、F1に参戦しながら同時にクルマの開発を進めていました。そうしたことができるのも、スーパーカブがあったからなんですよね。なので「スーパーカブがなかったら、今のホンダはなかったでしょう」
(終わり)
編集部よりお知らせ:
「made in Japan」――。かつては“格下”の響きがあったが、今は違う。日本発のヒット商品が次々に生まれ、世界の仲間入りを果たした。国境を越えた商品は、どのように誕生し、なぜ浸透したのか。Business Media 誠ではその謎に迫っていくために特集「世界で売れてる、日本発のヒット商品」をスタートする。
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