春はスマートフォンがなくても戦える――「a lot of fun」で攻めるiida
KDDIのiida春モデルのコンセプトは「a lot of fun」。ベーシックモデルの「lotta」や周辺アイテムのほか、「iida broadcast」「iida calling ver.3.0」なども提供する。KDDIが感じるiidaブランドの手応え、そして春商戦での勝算とは――。
2009年4月にiidaブランドが誕生してから、まもなく10カ月が経とうとしている。これまでKDDIがiida製品を投入してきた2009年春、夏、秋冬に続き、今回2010年春モデルとして発表したのは新端末「lotta」と、LIFE STYLE PRODUCTSの「STARP-TRAP」と「8071 STRAP」だ。
KDDI 取締役執行役員常務 コンシューマ商品統括本部長の高橋誠氏は、「iidaを開始したことでauの新しい活力を感じた人が増えている。iidaのブランドイメージで『センスがいい、個性的、先端的』だと感じているユーザーは2009年よりも増えている。INFOBARを発売したときと同じくらい、ブランド力を高めるのに大きな効果が出てきている」と、iidaブランド浸透の手応えを話した。また、2009年4月に発売した「G9」の価格が一定に保たれていることにも触れ、「こういう製品を出し続けることがブランド力の向上につながる」とした。
今回のiida春モデルのキーワードは「a lot of fun」。あらゆる分野のクリエーターたちとコラボレートし、新しい楽しみを提供することを目指す。その一環として、端末や周辺アイテムだけでなく、iida端末を持っていない人も含めてiidaブランドを体験できる場所として「iida broadcast」「iida calling ver.3.0」「Digital Contents Gallery」を提供する。
lottaは、1~3月の春商戦ということで学生層を狙っていることもあり、あえてスペックは抑えて求めやすい価格で販売する。KDDI コンシューマ商品統括本部 サービス・プロダクト企画本部長の増田和彦氏は「lottaの価格はPRISMOIDと同じくらいになるだろう」と話す。「機能重視のケータイが多い中で、シンプルな機種が欲しいという人もいる。ワンセグはないがFeliCaは搭載しているなど、日常生活の中で必要かつ十分な機能はそろっている」(増田氏)
またlottaは単に機能を抑えたモデルではなく、厚さ、開けやすさ、キーの押しやすさなど、日常生活で使いやすいシンプルさも追求している。「触れることで体感できる部分は、PRISMOIDに通じるこだわりもある」と増田氏は付け加えた。
KDDIは2010年の春商戦ではスマートフォンを投入しないが、高橋氏は「学生層はスマートフォンを欲しがるユーザーばかりではない。(子ども向けの)『mamorino』や(ガンガンシリーズなど)料金の安さについては評価が上がっている」と話し、春商戦は他社と渡り合える体制が整っていることを強調した。
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