スマホを見ていなくても通知に気がつく、ドコモの「ペリフェラルディスプレイ連携」:ワイヤレスジャパン 2012
ドコモが提案する「ペリフェラルディスプレイ連携」は、デジタルサイネージやPC、テレビなどのさまざまなディスプレイに、スマホ内の情報を通知させる仕組み。Bluetoothや無線LANを駆使して連携させる。
スマートフォンに保存したまま忘れていたクーポンを、ショッピングモールのデジタルサイネージが思い出させてくれる――。ドコモがワイヤレスジャパン 2012に出展している「ペリフェラルディスプレイ連携」は、スマートフォンの周囲にあるさまざまなディスプレイを活用して、スマホ内の情報を通知させるという取り組み。
スマートフォンがもっとも身近なモバイルデバイスとはいえ、実際にディスプレイを見ている時間はその一部。歩いている時はポケットやバッグにしまっておくことが多く、自宅や会社では、スマホではなくPCやテレビを見る時間のほうが長かったりする。そんな、スマホを目にしていない場合でも、電話を着信したりメールを受信することは多い。また自分で入力しておいたアラームに気がつかなかったり、せっかく手に入れたクーポンを買い物で使い忘れてしまうことも少なくない。そこでペリフェラルディスプレイ連携では、端末が持っている“その時必要な情報”をスマホ以外のディスプレイに表示して、ユーザーに気付いてもらおうというわけだ。
仕組みとしては、対応ディスプレイ(PCやネットワーク対応テレビ、デジタルサイネージなど)とスマートフォンの接近をBluetoothで感知し、公衆無線LANを通じて情報を送信する。とはいえ、個人情報のカタマリであるスマホの中身をあちこちのディスプレイに表示するわけには行かない。そこでパブリックな空間とプライベートな空間で、表示させる内容を変えている。
会場のデモで最初に紹介していたのは、モールにあるデジタルサイネージに自分のスマホが近づくと、忘れていたクーポンを通知するという内容。ここで表示されるのは、自分が設定したアバターとクーポンの内容だけで、他人が目にしても問題無い情報だけ。またプライベート空間に移れば、電話の着信や未読メールの通知、ToDoやまだ見ていないコンテンツの有無を通知してくれる。どの情報をどのディスプレイに出すかは、システムが自動で判断する。各デバイスには表示履歴なども残らず、一定時間に必要な情報だけを通知するシンプルな働きだ。
このペリフェラルディスプレイ連携を利用するには、スマートフォンにサービス用のアプリ(またはウィジェット)をインストールする必要があり、かつBluetoothと無線LANを常時オンにしておかなければならない。一方の外部ディスプレイ側も対応する機器を用意し、Bluetoothや無線LANに対応している必要がある。インフラとして普及すれば、端末に触れなくてもスマホの情報活用が進むユニークな取り組みといえるだろう。
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