京セラの簡単ケータイに学ぶ「聞こえ」の科学:開発陣に聞く「簡単ケータイK012」(2/2 ページ)
使いやすさにこだわって開発されてきたauの「簡単ケータイ」シリーズ。2012年夏モデルとして登場した京セラ製の「簡単ケータイ K012」は、「スマートソニックレシーバー」や「なめらか通話」などを搭載し、今まで以上に聞きやすさを追求したモデルだ。
細かい改善やカスタマイズで着実に進化
ITmedia K012では、本体のサイドに音量調節キーを搭載しましたね。
横山 そうですね。今までは音量もテンキー上部の十字キーで調整するようにしていましたが、サイドにあることによって、話している最中にもっと自然に使えるようになりました。また、音声読み上げ機能がありますが、その読み上げキーの横に音量調節キーがあることで、音声読み上げを聞きながら操作しやすくなっています。
ITmedia 電源キーのスライドスイッチはこのモデルが初めてですか。
横山氏 いいえ、2009年夏モデルの「簡単ケータイ K003」からスライド式です。「キーの長押しは難しい」というフィードバックに応える一環として、電源もスイッチ式にしています。画面のバックライトが消えてしまうと、電源が入っているかどうかも分からなくなりますが、これなら一目でスイッチのオン/オフが分かります。逆に、終話キーの長押しでの電源のオン/オフはできませんが、押しすぎて電源まで切れてしまう、という心配はありません。
ITmedia 新たに搭載された「音声コード読取」とは、どういった機能ですか。
横山氏 音声コードとはJAVIS(日本視覚障がい情報普及支援協会)が開発した2次元コードで、それをカメラ機能で使って読み取り、発声する機能です。「簡単ケータイ K012」専用のアダプタがJAVISから販売されますので、それとセットで使っていただくことになります。音声コード自体は約800文字記録できる2次元コードで、「ねんきん定期便」などの公的な書類に載っています。それをカメラで読み取っていただくと、書いてある内容を音声読み上げします。
ITmedia 端末とは別にアダプタが必要なんですね。それがなくても、読み取ろうと思えばできるものでしょうか。
横山氏 読み取り位置にきちんと合わせる必要があるので、あったほうが確実です。
ITmedia 今回の待受アニメーションは「日本の伝統色」ですね。
横山氏 本体を開け閉めする度に、待受画面で表示される色が変わります。日本古来の色の名前は数多くあって、「原色大事典」から引用した130色を用意しました。開けるたびに名前と色が背景に表示されます。1年を通じてランダムに出現するものと、季節に応じて出現するものがあります。また、背景の柄が4パターンあって色とランダムな組み合わせで表示しますので、トータルで520パターンの画面になります。
ITmedia 今回の簡単ケータイのカラーバリエーションはどのように決められたのですか。
横山氏 前モデルの「簡単ケータイ K010」は3色でしたが、その前の「簡単ケータイ K008」までは4色展開が多く、今回もゴールド、ホワイト、ピンク、ネイビーの4色展開です。男性女性問わずゴールドは人気がありますね。精密機器、高級なものというイメージを持たれるようです。売れ筋のゴールドとホワイトに、男性向けにネイビー、女性向けにピンクを用意しています。
ピンクは花柄のパターンですが、他のカラーも実はパターンが入っています。細かいパターンを入れることによって上質感を表現したのが今回のデザインのポイントになっています。
ITmedia 染め物の柄のような和風な感じですね。
横山氏 実は日本の伝統色のグラフィックと連携していまして、背面のパターンと同じものが日本の伝統色の背景にも使われています。?
ITmedia シニア向け端末の機能はどんどん充実していますね。
横山氏 シニア向けだから――というわけではないのですが、さまざまなお客様へのニーズに対する配慮などから、機能が徐々に増えてきていますね。
“簡単スマートフォン”の登場は?
ITmedia さて、NTTドコモが「らくらくスマートフォン」を発表しました。簡単ケータイをスマートフォンに、というアイデアは、当然考えていらっしゃると思うのですが。
横山氏 そうですね。簡単ケータイをシリーズでやってきて、その都度ユーザーアンケート調査をしたり、インタビューをしたりしていますが、前モデルの「簡単ケータイ K010」のアンケートで『次にどういうタイプの端末を使いたいか』という質問をしたところ、『スマートフォンを使ってみたい』というユーザーの方が2割弱いらっしゃいました。これだけスマートフォンが普及してくると、年配の方でもスマートフォンを使ってみたいと思われる方はいます。市場の流れをみながら検討していきたいと思っています。
ITmedia どうもありがとうございました。
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