KDDI、Androidアプリにおける電池消費ガイドライン
KDDIは、Androidアプリの開発において、バッテリー消費を抑えるためのガイドラインを公開した。ユーザーの消費電力抑制のヒントとしても利用できる。
通信回数の適正化と液晶ディスプレイの設定が重要
KDDIが4月5日に公開した「端末電池消費に関するアプリガイドライン」は、GoogleのAndroid Developers Siteにあるドキュメントを参考にしてKDDIがまとめたもので、Andorid向けアプリの開発において、消費電力を抑えるためにCPUやカメラ、通信モジュール、液晶ディスプレイ、ディスプレイバックライト、各種センサーを制御するAPIの利用方法について解説している。
ガイドラインでは、通信リソースに液晶バックライト、位置測位、カメラ関連デバイス、グラフィックス処理、演算処理、メモリ解放処理のそれぞれで、リソースの効率的な利用や使用回数の抑制で消費電力を抑えるAPIの利用方法を、サンプルコードなどを示して紹介している。特に、通信リソースと液晶バックライトは、独立した章を設けるなど、バッテリー消費に大きく影響していることを表している。
通信リソースの効率的な利用では、通信回数と通信時間を短くする手法を示している。具体的には、一定の時間間隔で通信を行うアプリでは通信間隔を広げたり、通信を行うトリガーにPush通知を利用すること、さらに、リトライ回数や間隔の抑制、バックグラウンド動作で通信回数の抑制、圏外時の通信抑止、HTTP通信でのデータ圧縮などを勧めている。また、複数のアプリで通信するタイミングを同期させたり、複数の端末で通信を行うタイミングを、乱数やアラームを利用して分散させる処理も紹介している。
液晶ディスプレイのバックライトでは、点灯制御、アプリの状態に応じた輝度の制御を勧めているほか、搭載センサーの制御では、データ取得間隔の適正化や位置測位にGPS以外の利用、カメラデバイスにおける起動時間の短縮化も消費電力の抑制につながるとしている。
プロセッサの消費電力抑制では、液晶ディスプレイバックライトの点灯状態を取得するAPIを利用して、オフのときには描画処理を行わない処理を入れたり、GPUのハードウェアアクセラレータ機能利用や、小数点演算における浮動小数点演算の利用による処理時間の短縮化、そして、座標計算や矩形表示処理では生成済みのインスタンスを利用してメモリ解放処理回数を抑制することなどを取り上げている。
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