片手の中に“究極”を――格好良さと使い勝手を両立させた「Xperia UL SOL22」:開発陣に聞く「Xperia UL SOL22」(2/2 ページ)
「“究極”まで追求した使い勝手」は、Xperia ULを貫くコンセプトだ。フラッグシップモデルながら、幅広い層に使ってほしいという思いが込められている。デザイン、カメラ、UIなどに共通する“究極”のユーザビリティについて開発陣に話を聞いた。
スマホ初心者に向けた片手の中の“究極”
企画担当の板倉氏は、「ソフトウェア面での“究極”のユーザビリティをあえて2つ挙げるなら、通話音質の改善とシンプルホーム」だと説明する。イコライザーやスピーカー音拡張設定などで誰でも安心に通話でき、初めてスマートフォンを使う人にも使いやすいUIを考え抜いた」という。
ソニーモバイル独自のUIで、ホーム画面のアイコンをカスタマイズすることはできないが、それは「あえてフィーチャーフォンと同じものを目指した結果」(板倉氏)だ。同氏によると、どのアイコンをどの場所に、いくつ配置するのかも複数候補があり、何度も検討し、現在のホーム画面になったという。
「当初は、短縮ダイヤルを上段に置いてみたり、アイコンを仕切る線がなくてごちゃっとしていたり、ツールに入れるアプリを考えているうちに、そもそもツールとは何なのかという定義にまで話が及んだ」(板倉氏)ほど考えた。その中で最も重視したのが、片手での操作感だ。「親指でタップしやすい下段に、通話やブラウザのアプリを配置し、設定やマップなど、必要だけど使う頻度が低いものは上段に置いた」(板倉氏)。文字入力でも片手で使いやすいようにキーボードのサイズや位置を変えることができ、まさに片手の中の“究極”の使い勝手をとことん追求した。
動くものをブレなく捉え、顔のシミを消すカメラ
Xperia Zのカメラは従来のケータイチームに加えて、サイバーショットやハンディカムの担当者などのメンバーが共同で開発したが、Xperia ULでも同様のカメラを搭載した。カメラ担当の梅原氏は、「カメラの特徴は大きく分けて、HDR(ハイダイナミックレンジ)ビデオ、プレミアムおまかせオート、ノイズリダクションの3つ」だと説明する。
HDRビデオは、明暗差の大きなシーンで白飛びや黒つぶれを抑える機能で、Xperia Zから動画にも対応した。「Exmor RS for mobile」という積層型CMOSセンサーでは、これまでは受光面の隣にあった信号処理回路を、画素の下に配置することで、より広い面積の回路を入れられる。ここにHDR動画撮影用の回路を設けた。梅原氏によると、HDRビデオは、シャッターが速い写真と遅い写真をリアルタイムに交互に重ねて合成する仕組みで実現しているという。
プレミアムおまかせオートは、「アルゴリズムにソニーのサイバーショットと同じものを導入し、検出精度と正確性を(Xperia VLより)向上させた」(梅原氏)。「コンディション」には新たにノーマル、動く被写体をブレにくく撮影できる「動き」、三脚での撮影でノイズを少なくする「固定」の3つを追加した。
ノイズリダクションは、「どこのノイズを強めに消すかを自動検出する。例えば、空のような背景は弱く、建物のようなはっきりした形状のものは弱く消す。美肌モードでは、顔のシミも消える」(梅原氏)。画面を切り替えることなく静止画と動画を撮影できる「モードレスUI」も搭載し、カメラにも“究極”の使い勝手が継承されていることが分かる。
持ち心地を重視したデザインに、ケータイユーザーが親しみやすいシンプルホーム、ユーザーになるべく手間をかけさせないカメラ操作など、Xperia ULの“究極”は、実際に使ってみることで分かるその使い勝手にある。“究極”の次には何が現れるのか。Xperiaのさらなる進化に期待したい。
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