“ラッキー”が30分に1回 お得感が増したKDDIの「auスマートパス」戦略(2/2 ページ)
KDDIのスマホ/タブレット向けサービス「auスマートパス」。今回の拡充では、配信クーポンの増加や百貨店や旅行代理店とのコラボなど、物販・ECとの連携が強化された。その狙いをKDDI高橋氏が説明した。
サービスで差別化 その課題は?
KDDIがユーザー満足度の向上策としてauスマートパスに注力する理由はなにか。高橋氏は、「端末の差別化は難しい。料金の差別化も難しい。ネットワークの差はまだ少しあるので、しばらくは(auが優位であると)これをしっかり訴えたい。しかしその後は、上位レイヤー(コンテンツ)の勝負になる」と説明する。
新型iPhoneが3キャリアから販売され、Xperia Z1やGALAXY Note 3など人気デバイスのマルチキャリア展開も当たり前になった。差別化が難しい競争環境のなかで、独自性の高いサービスを訴求していく必要性が高まってきた。この方針はドコモの「dマーケット」も同様だが、ドコモが「docomo ID」をキーとしたオープンなサービス拡充にかじを切ったのに対し、KDDIはauと回線契約したユーザー向けのクローズドなサービスという違いがある。クローズドであれば、コンテンツ料金を月額料金とまとめて課金できるなど、決済手段が確実になる。
また会員のアクティブ率は、「iPhoneよりAndroidのほうが高い。Androidであれば端末のブラウザやホーム画面に(auスマートパスへの)ブックマークをプリセットでき、アクセスしてもらいやすい」(高橋氏)という。iPhone向けのサービスを今後どう強化するかが課題で、iOS向けアプリのリリースも解決策の1つといえるだろう。
またコンテンツの充実も課題だ。iPhone向けコンテンツは約380あるが、ネイティブアプリについてはAndroid向けとかなり差がある。「キャリアで出せるアプリはできるだけ出していきたい」(高橋氏)というが、多くのコンテンツプロバイダーはWebアプリで対応しているのが現状だ。ただし、iOS向けアプリと“取り放題”などのサブスクリプションビジネスに対するAppleの基準が今後も変わる可能性もある。
そして何より重要なのが、解約方法の改善だろう。auスマートパスは契約時に店頭で加入を進められるが、解約方法が分かりにくいという指摘もある。解約方法が面倒なサービスには入会しにくいユーザー心理もあり、高橋氏は「店頭オペレーションも含め改善を検討中」と問題視していることを明かす。
「加入から1カ月の無料期間が重要で、この期間により多くの“おトク感”を体験してもらいたい。その上で解約を選択するユーザーもおられるだろう。まずは、サービスの良さを丁寧に説明していきたい」(高橋氏)
※auスマートパスの解約方法について誤りがありました。おわびして訂正いたします
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