スマートフォンを使う子どもの親が覚えておくべき設定(iPhone編)(2/2 ページ)
新学期が始まり、この春からスマートフォンデビューした子どもたちも多いでしょう。子どもにスマホを安全な環境で使ってもらうためには、親が気を配らないといけません。本稿ではそのための具体的な方策を解説していきます。
そのほかのサービス
子どもたちにスマートフォンを安全に利用する環境を用意する簡単な方法として、今回はiPhone組込みの「機能制限」を利用する方法を紹介しましたが、そのほかにも携帯電話会社が提供するフィルタリングサービスや「i-FILTER」などの商用製品も多数存在します。特に商用製品は高機能で、親の端末やブラウザからリモートで子どもの端末の利用状況を確認したり利用制限やアクセス許可を設定したりできますし、端末や個々のアプリを利用できる時間帯を制限する機能なども実装されています。
子どもがどうしてもスマートフォンにのめり込んでしまい、「明け方まで寝ないために寝不足で学校で授業に集中できない」「暗闇でスマートフォンを使いすぎて視力がひどく落ちてしまった」といった状況にある場合は、そのような商用製品を購入してより細かく利用制限をかけたり、実際の利用状況を確認しながら子どもとコミュニケーションを取ったりして状況を改善する――という方法も有効だと思います。
「機能制限」を利用する目的は?
何事も最初が肝心です。子どもにスマートフォンを与えた時点で、スマートフォンは子どもの所有物ではなく、お金を支払っている親からの借りものであるという意識付けをきちんと行っておくのも有効です。また、制限を緩めるのは簡単ですが、途中から制限を厳しくするというのは難しくなりますので、自転車デビューをする子どもに「必ずヘルメットを着用させる」といった指導を最初に行うのと同様、初めは厳しめに利用制限を設定しておくことが基本です。そして、子どもの成長に合わせて、子どもに判断に任せる範囲を段階的に広げていくようにするといいでしょう。
親として「機能制限」を利用する目的は、子どもたちの自由を制限することではありません。この機能は、子どもにスマートフォンを安全に利用できる環境を与えつつ、「なぜそのような機能制限が必要なのか」ということについて子どもと話し合うきっかけとして利用できるのです。「スマートフォンのことは分らないからお手上げ」というあきらめモードから脱し、親と子どもがコミュニケーションを続けながら、子どもの成長に合わせて継続的に利用環境を変え、最終的には子どもたちが自立して安全にスマートフォンを利用できるよう導くことの意義を知っていただければ幸いです。
関連記事
小寺信良「ケータイの力学」:子どものスマートフォン化の実態(1)
スマートフォンの普及は若年層にも広がっている。中高生だけでなく、小学生も所有するケースが出てきた。ほかのデバイス所有率とも比較して、その現状を見ていこう。小寺信良「ケータイの力学」:子どものスマートフォン化の実態(2)
スマートフォンを利用する上で欠かせないキーワードが、アプリと無線LAN(Wi-Fi)の2つだ。子どもにスマホを持たせるなら、保護者がこの2つを理解しどう管理するかが重要になる。小寺信良「ケータイの力学」:いよいよ子どもの「スマホ化」が始まった(1)
急速なスマートフォン化の流れは、子どもたちにも広がりつつある。ある女子高生向けサイトではユーザーの9割以上がスマホに機種変したという。Wi-Fiが使える点が評価されているが、それは従来のフィルタリングが機能しなくなることを意味する。小寺信良「ケータイの力学」:いよいよ子どもの「スマホ化」が始まった(2)
子どもたちが持つ携帯電話にもスマートフォン化の波がおよんでいるが、その一方で保護者の意識が追いついているとは言えない。無線LANやアプリの利用によるリスクなど、スマホへの理解が必要だ。調査リポート:子供にスマートフォン、5割弱の親が「購入したくない」――MMD研究所調べ
スマートフォンが一般層に浸透しているが、子供にはまだ早いと考える親が多いようだ。MMD研究所の調査で、半数弱が「購入したくない」と回答している。ドコモ、「スマートフォン for ジュニア2 SH-03F」を2月1日に全国で発売
ドコモは、子ども向けのAndroidスマートフォン「スマートフォン for ジュニア2 SH-03F」を2月1日に発売すると発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.