“失敗覚悟”の多角展開 LINEは「生活×エンタメ」密着のプラットフォームで世界一目指す(2/2 ページ)
LINEの事業戦略発表会で、森川亮CEOは「生活」と「エンタメ」の両軸プラットフォームとしてLINEを成長させていくことを発表。うわさされている上場については明言を避けた。
安定的成長優先で上場の予定なし
度々うわさが浮上する上場について、森川CEOは「LINEとして上場を発表したことはない。安定的な成長をすることが最優先であり、上場はあくまで選択肢の1つ」と答えた。今回数多くのサービスを展開するに当たって、舛田氏は「LINEはトライ&エラーを続け、成長してきた会社。『いかに日常生活と溶け合っていくか』をメインテーマに、これからも挑戦を続けていきたい」と締めくくった。舛田氏によると、LINEの収益はゲームに偏っているわけではなく、スタンプやその他のサービスでも伸びているという。
アカウントの乗っ取り問題など、度々懸念の声が挙がるセキュリティ回りについても、出澤氏は「理想は不正ログインをゼロにすること。限りなく少なくなるよう、今後も安全性を高める仕組みを取り入れていく」と語った。
多くの新サービス・新規事業を発表するなど、盛りだくさんの発表会となったが、目新しく斬新な内容というよりは、オーソドックスで既視感のあるサービスがほとんどだったという印象だ。森川氏が何度も「安定的な成長」という言葉を強調したように、世界中に膨大なユーザーを抱えるLINEは事業を多角化することで収益を安定させる堅実な運営方針を示した。今回発表されたパートナー企業も各分野の大手企業が目立ったほか、著名人を抱え込むコンテンツを充実させるなど、他社のWebサービスを追随するような印象も受ける。LINEの強みは、インフラと言っても過言ではないユーザー数の多さと、「コミュニケーションに根付いたサービスであること」(舛田氏)だ。収益化できずに散っていった他社サービスと同じ轍を踏む可能性もあるが、それも折り込み済みの“失敗覚悟の多角展開”を続けていくようだ。
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