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まずは気軽に使ってほしい――ZTEジャパンがエントリーモデルに注力する理由ハイエンドは「乞うご期待」

ZTEジャパンが2016年7月に発売予定の「BLADE V7 Lite」と「BLADE E01」は、価格がそれぞれ2万円台前半、1万円台半ばとお手頃価格が特徴だ。3万円前後の価格帯が“売れ筋”の昨今のSIMロックフリースマホ市場で、あえて安価なモデルを投入する狙いはどこにあるのだろうか。

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 ZTEジャパンは7月中旬に、SIMロックフリーのAndroidスマートフォン「BLADE V7 Lite」「BLADE E01」を国内で発売する予定だ。実売想定価格は、BLADE V7 Liteが2万円台前半、BLADE E01が1万円台半ば(ともに税別)だ。

 6月15日、同社は両機種の発表会を開催した。昨今、3万円前後の価格帯のミドルレンジモデルの売れ行きが好調であるSIMロックフリースマホ市場。そこであえて夏商戦にエントリーモデルを持ってきた同社の狙いはどこにあるのだろうか。発表会での担当者の発言から探っていこう。


発表会でのフォトセッション。左からZTEでヨーロッパ・中東・アフリカ地域(EMEA)およびアジア太平洋地域(APAC)の端末担当CEOを務めるジャッキー・ジャン氏、歌手でZTEジャパンの「1日クリエイティブディレクター」に任命されたhitomiさん、ZTEジャパンのリ・ミン社長

BLADE V7 Lite(シルバー)

BLADE E01(グレー)

ハイエンドスマホは「乞うご期待」


ZTEジャパンの吉本氏

 ZTEは、5月26日(中国時間)に新しいフラッグシップスマホ「AXON 7」を発表している。AXON 7はQualcommの最新プロセッサを搭載し、GoogleのVRプラットフォーム「Daydream」に対応するなど、現行のスマホの中ではトップクラスの性能を誇っている。

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 先述の通り、3万円前後のミドルレンジスマホもある程度受入れられている日本の市場であるが、一方で「ハイエンド偏重」とも言われるほどフラグシップモデルが良く売れてきたのも日本市場の特徴だ。AXON 7ぐらいに突き抜けたモデルであれば、少なくともスペック面では「日本市場が好む」ものでもあるはずだ。

 しかし、日本市場では先代のフラグシップモデルのコンパクト版である「AXON mini」の発売から半年ほどしか経っていないこともあってか、今回の発表会ではAXON 7や、それに準ずるハイエンド機の姿はなかった。

 このことについて、ZTEジャパンでプロダクトマーケティング ディレクターを務める吉本晃氏は「(ハイエンドスマホである)AXON miniの次を考えている。その辺の発表は乞うご期待、ということで待っていただきたい」と発表会で発言。AXON 7そのものかどうかは不明だが、次世代のハイエンドスマホを日本に投入する計画があることを明らかにした。


ZTEの真フラッグシップスマホ「AXON 7」。これそのものかどうかは不明だが、日本でもハイエンドスマホの投入計画があることが明らかに

エントリースマホ拡充は「気軽に使ってほしい」から

 今回発表された2機種は、いずれもスペック的にはエントリーモデルだ。V7 Liteについてはメインメモリや内蔵ストレージがより多く、指紋認証センサーも付いていることから「ミドルレンジ」とも言えそうだが、だとしても限りなくエントリーモデルに近い位置付けであることには変わりはないだろう。

 フラッグシップスマートフォンよりも先に、エントリーモデルを投入する意図はどこにあるのだろうか。発表会の質疑応答でその旨を問われた吉本氏は、今後発表する予定のハイエンドスマホが現行のAXON mini(3万4800円・税別)よりも高価格帯になることを示唆しつつ「我々は(スペック的に)上のレンジから下のレンジまでカバーしようとしている。まずはエントリーモデルを提供することで、気楽にZTE端末を使っていただきたい。そこからZTEという会社を知ってもらい、それから『いや実は……』と持っていきたい」と語った。

 ZTEはソフトバンクやau(KDDI・沖縄セルラー電話)に端末を納入しているとはいえ、日本での認知度は高くはない。価格的に手頃なエントリーモデルを足がかりに、SIMロックフリー市場を中心にブランドの認知度を高め、そこからより快適なハイエンド機への興味につなげようという狙いがあるようだ。


BLADE V7 Liteは、大手家電量販店やWeb通販で取り扱う

BLADE E01は、BLADE V7 Liteの販路に加えて、MVNOの中でも知名度が高い「楽天モバイル」でも販売する

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