SIMフリースマホ、54歳以下の層での需要が拡大:SIM通
コムスコアがリリースした、携帯電話使用動向に関するレポートによると、SIMフリー携帯使用者の8割を54歳以下が占めていることがわかった。また、シニア層にも一定の利用者がいる半面、24歳以下の利用者数が少なくなっている。
コムスコア・ジャパン(以下コムスコア)は、「日本の携帯電話使用動向に関する2016年7月までの3ヶ月平均」についてのレポートを10月5日リリースしました。それによるとSIMフリー携帯を利用するユーザーは54歳以下に多いことが分かったとのこと。
この調査ではユーザーがメインで使用している携帯電話端末に関するアンケート調査をおこなっており、2台目や3台目などのいわゆるサブ機は含まれていないとのこと。なお調査は13歳以上の全モバイルユーザーを対象にしているとしています。
コムスコアによると2016年7月までの3か月平均において、国内のSIMフリーの携帯電話を利用するユーザーは523万人おり、その内訳は男性58.6%、女性41.4%。SIMフリー携帯を使用しているユーザーの約6割であることがわかります。このあたりは、もう少し男性のほうが多いのではないかと予想していましたが、思っていた以上にSIMフリー携帯を利用する女性が増えていることが分かりました。
続いてSIMフリー携帯を使用している年齢の内訳をみると、54歳以下のユーザーで全体の8割を占めているものの、55歳から64歳で10.9%、65歳以上で13.9%もの方が利用。各MVNOがシニア層に対しアプローチしていたのが功を奏した結果と言えることでしょう。しかし半面、24歳以下のユーザーでの利用者数が少なく、「スマホを持つならiPhone一択」と言われている世代に対し、購入サポートのないSIMフリーiPhoneをどういった方法で持ってもらうか、もしくはiPhone以外に目を向けてもらうにはどうしたら良いのかをしっかり考えていく必要があることでしょう。
ちなみにSIMフリー携帯使用者が最も多かったのは、35から44歳の22.2%。子育て世代にあたり、少しでも家計を抑えたいという気持ちから、SIMフリースマホと格安SIMの組み合わせを夫婦が増えているという話も耳にしており、またそうでなくても最新ガジェットに対するアンテナを張っている世代だけに、この割合は納得のいくところです。
また、SIMフリー携帯電話を持つ理由の一番の理由は「月額の利用料金を減らす」という回答が65.3%と最も多くなっています。実際のところ、SIMフリー端末でなくても月額料金については安く抑えることは可能ではあるものの、各MVNOや販売店が「格安スマホセット」として売り出している影響からか、スマホとSIMをセットで乗り換えている方が多いということが推測できるのではないでしょうか。
最後に「SIMフリー携帯の購入を考えている」「現在の携帯電話のロック解除を考えている」という設問では、スマホユーザーの方が検討を考えている場合が多く、さらにキャリア別でみるとソフトバンクが最も高い数値になっていることがわかりました。ここの理由について詳しい理由まではわかりませんが、コンシューマー向けに対しMVNO SIM提供を殆ど行っていないソフトバンクが他を圧倒する形で移行検討者抱えているのは興味深い結果であると言えるのではないでしょうか。
今回の調査では土手程度の規模の調査であるのか具体的な数値がなかったため分からない点はあるものの、実感値として感じていたユーザーの広がりを知ることができたと言えます。さらなる利用者の拡大に向け大事となってくるのは、端末の充実とともにiPhone一強の国内において、各メーカーから販売されているSIMフリースマホの魅力や良さを広く伝え、理解してもらえることが大切なのかもしれません。
(文:SIM通編集部)
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