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「自転車ながらスマホ」の危険性をVRで体験――KDDIなど3社が啓発活動(2/3 ページ)
KDDI、ナビタイムジャパンとau損保が、携帯電話・スマートフォンの「ながら運転」の危険性を啓発するプロジェクトの第2弾を開始する。VRコンテンツも用意し、KDDIが主催・協賛するイベントを中心に体験コーナーを設けるという。どれくらい“危険”なのか、体験してみた。
「0.7秒」の差が命運を分ける
今回の取り組みに先立ち、KDDIとau損保は京都府と共同で、京都府庁の一角を使って「自転車ながらスマホ」に関する実証実験を行った。この実証実験は、ながら運転研究の第一人者である愛知工科大学の小塚一宏名誉・特任教授の監修のもと実施された。
実験は、被験者に「適切な運転(前方注視)」「ながらスマホ」「ながらスマホ+イヤフォン装着」の3パターンの運転をしてもらい、歩行者の「追い越し」「横切り」「すれ違い」に対する視線動向と反応を比較するというもの。実際の交通環境に近づけるため、自転車の走行コース(実験場)には「死角を作る自動車」「背後から人が出てきうる駐車場」「横から人が出てきうる自転車置き場」を再現した。
被験者はに「UNN関西学生報道連盟」に所属する大学生11人。そのうち9人のデータを使って分析を行った。
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実験結果を分析したところ、ながらスマホは適切な運転時と比べて以下のような特徴があることが分かった。
- 歩行者の見落とし率が5割増える(平均1.3回→2.0回)
- 歩行者を認識するまでにかかる時間が0.7秒遅くなる(平均1.0秒→1.7秒)
- 歩行者を注視する時間が23%になる(通常時を1とした場合、注視時間が0.23に減少)
自転車が時速10kmで走っていると仮定した場合、0.7秒認識が遅れれば約2m先に進んでしまう。小塚氏は「この2mの差が、かなり大きい」と語る。たった“2m”だが、このわずかな差が事故を防げるかどうかの分かれ目になるのだ。
実証実験の紹介動画
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