新サービスに質問が集中――ドコモ2018年夏発表会 一問一答(3/3 ページ)
NTTドコモが2018年夏商戦に向けた発表会を開催した。この記事では、発表会における質疑応答と吉澤和弘社長との囲み取材の模様をお伝えする。
―― my daizでは2020年の目標数値として150パートナーという話があったが、その数字が意味するところは何か。
吉澤社長 今は30程度だが、それを150までにする。実際にmy daizを使うユーザーは、2020年で1500万くらい(に達すること)を考えている。
関崎宜史エージェントサービス担当部長 ユーザーの生活の行動支援をするということで、「暮らす」「楽しむ」「買う」といったカテゴリがある。このカテゴリに沿ったサービスを提供していただけるパートナーを開拓し、一緒にサービスを届けていきたいと思っている。
一方で、我々が積極的にやっていきたいという1つの目標が150で、カテゴリの中に入っていなくても「こういったサービスがあるのではないか?」という提案がある企業もいらっしゃると思う。そういったところとも一緒に作っていきたいと思っていて、もっともっと増やしていきたいという目標として挙げている。
吉澤社長 我々から「ぜひこれをお願いしますよ」ということで増やすのが150だが、APIをオープンにしているので、個人は基本的に無理だと思うものの「我々も!」というパートナーさんがいらっしゃるなら、声をかけていただければ、どんどんそこに入っていただく。領域をどんどん広げていきたい。
―― my daizの有料サービスは月額100円ということで、単独での収益はそれほど大きいものを考えていないと思う。収益はどこで(得ようと)考えているのか。
吉澤社長 有料サービスのユーザーがどれくらいになるか、ある程度シミュレーションしている。ユーザー数が伸びれば収益も伸びるが、サービスのAPIをオープンにして、APIを開放するAPI課金のようなものを考えている。スタート時はやっていないが、パートナーの方に入っていただくときに課金させていただくということを考えている。
関崎氏 間接的になるが、それ以外ではmy daizでユーザーに合わせたdサービスを提案するなど、サービスの利用促進をする役目も果たしていきたいと思っている。そうなると、dサービスを継続して使っていただくことにも寄与できる。
パートナーのサービスをもっと増やし、最終的に決済に広げていけるのではないかと考えている。
吉澤社長 パーソナライズで、1to1のマーケティングをすることで、月額課金はさることながら、都度課金のコンテンツやサービスを利用してもらえるようになる。間接的というか、100円の利用料金とは別に実は狙っている。
―― すでにスマホには「Googleアシスタント」や他社のAIサービスが搭載されている。競合するところがあると思うが、そこはどう考えているか。
関崎氏 ご指摘の通りだが、スマホだからこその強みがある。Googleさんにもあるとは思うが、ユーザーからお預かりしているデータを駆使して学習し、1人1人に届けられる強み。また、ここもスマホだと被っている要素があるが、家の外(でも役立つという強みがある)。
あとはパートナーをどれだけそろえていけるか。そういったところが強みだと思っている。ここでもチャレンジかなと思っている。
吉澤社長 パートナーをいかにたくさん集められるかということもあるし、自分たちの仕組みとして、1to1マーケティングができるデジタルマーケティングのプラットフォームをいかに作れるか。
あとはそのベースとなる会員基盤。我々の今までの実績もあるが、そこを強みにしていくことが、他との差別化につながるのではと思う。
―― my daizのユーザーを2020年に1500万というのは、かなり大きな目標だと思うが、初年度(2018年度)はどのくらいの目標を立てているのか。
吉澤社長 iコンシェルのユーザーがだいたい700万弱。my daizを使っていただくと、iコンシェルのサービス以上のものが使えるので、できればiコンシェルのユーザーをシフトして、さらに新しい機能を使っていただくことで(ユーザー数を)プラスアルファさせて、まあ、そのくらいかなと。
全員がすぐに移るわけではないだろうが、2018年度中に700万から800万(ユーザー)くらいは行きたい。そして2020年に1500万以上を狙いたい。
―― iコンシェルが出た当初は、非常にインパクトが大きかった。しかし、その後あまり進化せずにパッとしなかった印象があるが、反省点はあるか。何がダメで受け入れられなかったのか。あるいは、良いサービスなのに注力しなかったのか。
吉澤社長 注力はした。iコンシェルでは非常に多くのユーザーの声を認識したり、何億回というケースを蓄積した。そういったことで自然対話のエンジンはものすごく発展した。
ただ、検索や調べものだけでは、必ずしもユーザーの行動や生活のサポートになっていない。だからこそ、今回はパーソナライズ化。先読みエンジンをいかに充実させるか。my daizでは1人のユーザーが思っている先を行くようなところに注力する。現段階では入っていないが、例えば家電連携。「電気をつけて」とか「掃除をして」とか、いわゆるIoTのアクセス制御のエンジンも投入(を検討)しているところ。
2018年度中にそういったエンジンを付けることで、もっと強くしていきたい。今までアピールしきれなかったエンジンが、今回、ある程度出来上がってきている。
―― docomo with端末について以前、吉澤社長は「3万円半ばくらいが対象になる」言っていたが(参考記事)、今回のLG端末(LG style L-03K)はスペックが高く、価格も4万円に近づいてきている。段々と価格を上げていくような狙いはあるのか。
吉澤社長 LG styleは(税別で)4万円弱くらい。docomo withをやるときに、ユーザーにお見せするプライスで3万5000円から4万円くらいの間であればいけると言ってきた。4万円をかなり超えてしまうようなものは、なかなかいけないので、ご指摘があったように考え方のギリギリ。(今の端末価格が)ちょうど良いくらいなのかと考えている。
―― もう一声、(docomo with対象に)「iPhone SE」が入ってくるようなことは。
吉澤社長 iPhoneのある機種を対象にするかどうかということについても、我々の実際の調達価格などによるが、検討はしていく状況になるかなとも思う。しかし、今は入れることを考えていない。
―― 今回のHuaweiの端末は、docomo with端末ではなくてハイエンドモデル。そのあたりの思い入れ、今後の期待を聞かせてほしい。
大平雷太プロダクト企画担当部長 ユーザーに受け入れられる、喜んでいただける良いものが、ドコモにラインアップされているという状態にしたいと思っている。P20 Proに関しても、そういう端末なんじゃないかと思ってラインアップさせていただいた。
他の端末に関しても、良いものがそろっているという状況を作りたいという考えだ。
吉澤社長 P20もいくつかシリーズがあるが、私も、他のものとの関係の中で、ハイエンドなものを揃えておきたいというのが今回の考えだ。
今後も良いものが出てくれば、しっかり検討していきたいと思っている。
CMに登場する3名も登場
発表会では、ドコモのCMに出演している堤真一さん、綾野剛さん、高畑充希さんによるトークセッションも行われた。my daizに話しかけたり、Galaxy S9/S9+で作成したAR絵文字を披露したりして、会場を盛り上げた。
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