シャープに聞く「AQUOS R7」の進化点 1型センサーのカメラとIGZOディスプレイは何が変わったのか:開発陣に聞く(3/3 ページ)
2022年夏商戦向けのスマートフォンのなかでも高価な「AQUOS R7」。1型のCMOSイメージセンサーを搭載し、ライカ(Leica)が画質監修をした。そんなAQUOS R7のカメラ、ディスプレイには、いったいどんな技術や機能が詰め込まれているのか、シャープでAQUOS R7の企画開発に関わった方々に話を聞いた。
なぜフラットな形状に変わったのか
―― これまでのモデルでは本体の持ち上げやすさを意識した側面の形状でした。AQUOS R7ではフラットになりましたが、考えが変わったのでしょうか。
平嶋氏 トレンドを見つつ判断しています。AQUOS R6はどちらかというと、3Dガラスでデザイン性、つまりフラグシップにふさわしいデザインとしていました。それに対して、R7は普段の生活になじみやすいデザインに仕上げたため、ディスプレイ面、側面をフラットにしました。
ユーザビリティに直結する部分ですと、背面が少しラウンドしておりまして、そこに指がかかりやすいようにしています。考えが大きく変わったわけでは決してありません。
―― 背面はざらつきのある質感になっていますね。何か意図したものでしょうか。
平嶋氏 角度を変えると光沢感が表れます。特別な粉や溶剤を混ぜたことにより、このようなざらつきのある手触りを実現しつつ、光沢感も表現できたと思います。
―― ベーシックな色を投入された印象を受けました。何かトレンドを意識したカラーなのでしょうか。
平嶋氏 AQUOS Rのブランドカラーでもある黒はたたずまいを意識しています。デジタルカメラ、一眼レフカメラからもインスピレーションを得ています。グレーはニュアンスのある明るいカラーを意識したものになります。目立ちすぎないシルバーとなっています。
―― Google アシスタントキーが廃止されました。いらない、という意見を聞きますが、実際、どうでしょうか。
平嶋氏 こちらはAndroid OSの振る舞いが変わったこと、それに追従したものになります。Google アシスタントの呼び出しは電源キーの長押しでもカバーできるので、特に設ける必要がないと判断したものになります。シンプルスマホでは専用キーがありますので、商品特性やお客さまのニーズに合わせて決めています。
取材を終えて:カメラとディスプレイにこだわる人に勧めたい
ライカの監修による1型センサーのカメラを搭載したことで話題を集めたAQUOS R6の発売から1年。後継機のAQUOS R7は、スマートフォンに特化したセンサーに刷新することで、AQUOS R6の弱点だったAF性能を改善させ、モノクロカメラの搭載で解像感の向上も図れた。シャープならではの省電力性に優れたIGZOディスプレイも健在で、AQUOS R7ではフレーム補間やAI超解像といった機能も追加した。
AQUOS R7はドコモとソフトバンクから販売されており、税込みでドコモが19万8000円、ソフトバンクが18万9360円という価格がネックだが、「カメラ」の機能と「ディスプレイ」の品質にこだわる人には一考の価値があるだろう。
関連記事
「AQUOS R7」のカメラは「これぞシャープ」といえる仕上がり センサー刷新でR6とは別物に
シャープのフラグシップスマホにして「ほぼデジカメ」と思われたりする「AQUOS R7」。同じ1型センサーを搭載するが、R7は「スマホ用センサー」という点で違う。AFやAIなどの性能も進化している。「AQUOS R7」実機レポート、“じゃじゃ馬”だった先代の弱点克服で死角なし?
シャープは9日、フラグシップモデル「AQUOS R7」の実機レポート。1インチカメラ&高性能ディスプレイは維持しつつ、前モデルの弱点を補い、魅力を高めている。同日開催されたメディア向け体験会から、実機の仕上がりをレポートする。シャープが「AQUOS R7」を発表 刷新した1型センサーカメラ搭載、AFが高速に
シャープが5月9日、スマートフォンAQUOSの新モデル「AQUOS R7」を発表。2022年7月以降に発売する。ライカと共同開発した1型センサーのカメラは、AFが高速になり、ポートレートモードも刷新した。5G通信機能も拡張しており、Sub-6とミリ波の周波数を束ねてさらに高速化を図るDual Connectivityに対応した。夏のハイエンドスマホ「Xperia 1 IV」「AQUOS R7」「Galaxy S22 Ultra」を徹底比較 どの機種を選ぶ?
ついに出そろったMNO各社のハイエンドスマートフォン。「Galaxy S22 Ultra」「Xperia 1 IV」「AQUOS R7」と実際に使ってみて、どのような人に向いているのか考察してみた。シャープに聞く「AQUOS R6」開発の舞台裏 ライカとの協業から1型センサー搭載まで
シャープの「AQUOS R6」は、ライカと共同開発した1型センサーのカメラが話題を集めている。刷新されたカメラ機能を中心にシャープ開発陣に話を聞いた。特にライカが求めるレベルの画質実現に苦労したという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.