2001年後半の携帯ロードマップ:KDDI編(2/2)

iモードコンテンツも閲覧可能に

 この時期の端末にはWAP2001ブラウザが搭載される。WAP2001ブラウザとは「WAP2.0」に対応したブラウザのこと。WAP2.0はコンテンツ記述言語にXHTML Basic+WML拡張を採用しており,原理的にはiモードコンテンツと従来のEZwebコンテンツの両方が見られる形になる(8月2日の記事参照)。

 WAP2.0は先日仕様が発表されたばかりだが,現在cdmaOne端末にWebブラウザを供給しているオープンウェーブシステムズは,WAP2.0に沿う「ユニバーサルエディション」を完成させている。「(KDDIがWAP2.0に対応させた端末を出すのは)タイミング的には可能」だとオープンウェーブシステムズの常山宏彰氏も語る。

 またKDDIは,既にサーバ側でもiモードコンテンツを変換して閲覧できるよう準備を進めている。

動画配信時のパケット料金体系に注目集まる

 CDMA2000 1xがもたらす高速データ通信を生かすアプリケーションとしては動画と音楽の配信が考えられている(7月17日の記事参照)。ドコモのFOMAでも動画/音楽配信を予定しているが,その通信速度は64Kbps。パケット通信を利用すると高速な代わりに料金が高くなるという問題があり(2月23日の記事参照),さらに電波状況によって通信速度が変化するパケット通信ではストリーミング型の映像配信が難しいのではないかという指摘もある。

 KDDIでは,「(1x導入時の料金は,現行の)10分の1が目安になるだろう」と語っており,FOMAの約半分の料金を想定しているようだ。ただし,現在のcdmaOneの料金体系では,1パケット(128バイト)あたり0.27円。10分の1にしても0.027円で,リッチコンテンツを受信するにはかなり高い(FOMA試験サービスでは0.05円)。  また映像の受信に関しては,いったん映像をダウンロードし,再生する方法を考えているようだ。

Javaフェイズ2でドコモを超える?

 KDDIのJavaサービス「ezplus」に対応した端末は,日立製作所製の「cdmaOne C451H」があり,その後カシオ計算機製の「cdmaOne C452CA」が登場する予定だ(6月25日の記事参照)。またサムスン電子(三星電子)も「cdmaOne C453SG」という端末に関してTELECの証明を取っている。

メーカー 設備名 証明年月日
三星電子 cdmaOne C453SG 6月12日

 ezplusは,ファイルサイズが50Kバイトと他キャリアに比べて格段に大きく,端末間通信ができるなどの特徴があるが問題もある。

KDDI Javaの問題点
1 http通信に非対応(インターネット上のサーバと通信できない)
2 端末のラインナップが少ない

 Javaフェイズ2では,このすべてが改善される見通しだ。gpsOneを使って位置情報を利用したアプリケーションも作成できるようになる。また「今後,Javaは端末の標準機能」(KDDI)とされており,Bluetoothや「GLOBAL PASSPORT」などと異なり搭載してくる端末は爆発的に増えると思われる。*一般向けのezplusのダウンロードは8月20日現在,既に開始された

BREWも年内に予定

 秋のCDMA2000 1xが期待されるところだが,もう1つ,「BREW」も登場を控えている。BREWは内蔵アプリケーション向けのプラットフォームであり,エンドユーザーに直接のメリットがあるわけではないが,端末の完成度やアプリケーションの拡張性という面で大きく強化される可能性がある。

 KDDIは「年内にはcdmaOne端末にBREWを搭載していく」と語っており,タイミングとしてはCDMA2000 1xと前後してしまう(1月31日の記事参照)。

 そして2002年10月には,高速かつ安価なデータ通信専用通信方式,「CDMA2000 1x EV-DO」への対応を行う(7月30日の記事参照)。CDMA2000 1x EV-DOでは「定額制も検討する」とKDDIは語っており(4月2日の記事参照),最大2.4Mbps,平均600Kbpsという通信速度と併せて魅力的なサービスとなりそうだ。

機能がバラバラに搭載されるのが問題

 現在auブランドのcdmaOne携帯電話は,「cdmaOne C416T」までの機種が発表されている(7月16日の記事参照)。現在でも,以下のような特殊な機能を持った携帯電話がラインナップされている。

機種名 特殊機能
C413S Bluetooth
C451H Java
C412SA GLOBAL PASSPORT

 “Javaなら503i”とシリーズ名を決めて一斉に複数端末を市場に投入するドコモとは異なり,KDDIの端末はパラパラと投入される感がある(5月18日の記事参照)。この秋には大きな機能が複数予定されるが,これらの機能をすべて備えた端末が登場するかどうかは不明だ。

 1つだけ言えるのは,9月以降に登場する端末は現在の端末が持っている機能をほぼ備えているということ。さすがにBluetoothとGLOBAL PASSPORTだけは特殊な機能ということになりそうだが,たとえばCDMA2000 1x対応の東芝製端末は「すべてを詰め込んだハイエンド機」(KDDI)であり,これまでに挙げた機能は網羅していると思われる。

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[斎藤健二,ITmedia]

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