LGエレクトロニクスがNTTドコモの2009年夏モデル、そして“LGジャパンモデル”として投入する「L-04A」と「L-06A」は、ドコモ全体のラインアップで見ると、決して“尖った”モデルではないが、LGエレクトロニクスのかつてないほどの意気込みを感じる。「L704i」や「PRADA Phone by LG」「L705iX」など、これまでのLGケータイは海外用端末を日本向けにカスタマイズしたものだが、L-04AとL-06Aは、海外では未発売の日本発モデルだからだ。
これまでのLG端末は“金属感”や“高級感”といったイメージが強かったが、LGエレクトロニクス・ジャパン 広報が「L-04AとL-06Aのテーマは“シンプル&スタイリッシュ”」と話すように、今回の2機種はよりポップなテイストが強くなった。加えて、同社のハイエンドモデルでおなじみのタッチパネルも継承した。「PRADA Phoneをはじめ、LGエレクトロニクスはタッチパネルケータイのリーダー的存在だと認識している」と同社は自信を見せる。
一方、LGエレクトロニクスは「L705i」や「L706ie」「L-03A」など、シンプル操作を訴求するモデルも供給している。ドコモはこうしたシンプル系の機種は、団塊の世代をはじめとする“らくらくホン予備軍”に訴求できるとの考えも示しており、LGエレクトロニクスも「シンプル系モデルは今後も供給していく」という。
ノキアの日本市場撤退が象徴するように、海外の携帯メーカーが日本で成功することは容易ではないが、LGエレクトロニクスをはじめ、Samsung電子やZTEも日本市場への進出にさらなる意欲を見せている。
LGエレクトロニクスは、“シンプル、かわいい、ハイエンド”という3つの路線で日本市場に風穴をあけられるか――。個人的には、LGジャパンモデルのCMに出演する蒼井優さんと温水洋一さんの“かわいい”にも注目している。
関連記事
- “LGジャパンモデル”で日本市場を本気で攻める――LGエレクトロニクス
LGエレクトロニクス・ジャパンは、“LGジャパンモデル”として発売する「L-04A」「L-06A」のCM制作発表会を開催。同社の日本市場の取り組みについて説明した。会場にはCMに出演する蒼井優さんも駆けつけた。 - 写真で解説する「L-04A」
3インチのタッチパネル液晶を搭載したスライドケータイ「L-04A」。最初から日本向けモデルとして開発され、タッチパネルを便利に、かつ楽しく使える待受画面を採用した。アドレス帳と連動したキャラクターが待受画面で着信やメールを知らせるユニークな機能も。 - 写真で解説する「L-06A」
PRIMEシリーズに属する「L-06A」は、上り最大5.7MbpsのHSUPAにドコモの音声端末として初めて対応するモデル。専用の「Googleサービスキー」と、HSUPAの高速通信を生かして、写真や動画を簡単にYouTube やPicasaへアップロードできる機能を搭載した。 - “フルタッチ”と“プレミアム”で全セグメントの勝者に――Samsung電子の戦略
今、携帯電話の世界市場で勢力を伸ばしているメーカーがSamsung電子だ。同社がさらに勢いを加速させるための方策とは。そして「まだギャップがある」日本市場で存在感を高めるために必要なものとは何か。 - 「LTEが導入されたら我々の強みが生きる」――ZTEが日本市場に見る“チャンス”
中国最大手の通信機器メーカーZTEは、携帯事業では世界6位のシェアを誇る。日本では 2008年にZTEジャパンを設立し、ウィルコムのWILLCOM CORE 3G端末やb-mobile3G端末を提供するなど、徐々にその名を広めつつある。今後ZTEは日本市場でどのような展開を目指すのか。そして同社ならではの強みとは――。 - ノキア、日本向け端末の販売を終了――Vertu事業は継続
ノキアは11月27日、日本市場向け端末の開発と販売を打ち切ると発表した。高級携帯ブランドVertuの販売やグローバルR&D、ソーシング事業は継続する。 - らくらくホンは日本のシニア層が作ったブランド――ドコモが感じる“自信”と“責務”
「らくらくホン6」は、これまでのらくらくホンの「あんしん」要素に「防水」「防塵」を追加したモデル。7月28日に開催された発表会では、ドコモ端末におけるらくらくホンの位置づけや今後の展開、開発の苦労やこだわりが明かされた。また、らくらくホン6のイメージキャラクターを務める大竹しのぶさんが登場し、“防水・防塵らくらくホン”の感想を語った。 - 「ふぉーんなハナシ」バックナンバー
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.