第35回 内蔵辞書で簡単に調べ物――本格的な辞書を備えたメーカーは?:今すぐ使えるケータイレシピ
ケータイの「何となく知っていたけど使っていない」機能や、「実はこんな使い方もある」という活用法を取り上げる本コーナー。第35回では、メーカーごとの違いも含めた「内蔵辞書」について解説する。
仕事中や読書中などにふと「この言葉はどういう意味だったか?」と気になることは多いだろう。そんなとき、手軽に調べ物ができるツールとして役に立つのがケータイの辞書だ。あらためて説明するまでもないが、ケータイで辞書を使うメリットは、「いつでもどこでも使えること」。ケータイ向け辞書には、端末にあらかじめ用意されている「内蔵辞書」と、Webサイト経由で利用する「オンライン辞書」がある。今回は内蔵辞書に焦点を当てたい。
内蔵辞書を使うメリット
大きく取り上げられることは少ないが、多くの現行機種が辞書機能を搭載している。内蔵辞書はインターネットを経由する必要がないので、文字どおり“どこでも使える”のがメリットだ。辞書をショートカット登録すれば、最短で待受画面からワンタッチでアクセスできる。
メール作成やブログ投稿中などに「この言葉の使い方は正しかったか?」と疑問に思ったときも、文字入力画面のサブメニューやマルチタスク経由で辞書を使える。また、これまでに調べた言葉の履歴表示もできるので、英単語の学習などで繰り返し意味を確認したいときにも役立つ。
メーカーごとに異なる内蔵辞書のカラー
内蔵辞書はメーカーによって内容や操作性が異なるが、ちょっとした調べ物をする程度なら、どの辞書でも事足りるだろう。ただし、発売時期やメーカーによっては辞書を搭載していなかったり、英和・和英辞典は使えるが国語辞典は内蔵していない機種もあるので注意したい。下記にも紹介するが、本格的な辞書を使いたければ、カシオ計算機と日立製作所、シャープ、東芝製モデルがお勧めだ。
カシオと日立モデルは、機種によって搭載する辞書が異なるのが特徴。「ポケットプログレッシブ英和・和英・国語辞書」と「英会話とっさのひとこと辞書」は多くのモデルが搭載しているが、+αの辞書として、「W63CA」は英会話海外旅行ひとこと辞書」「ライト英会話」「日経ナショナル ジオグラフィック社World Guide」、「G'zOne CA002」は「レスキューガイドブック」を備えている。また、「CA001」では「デジタル大辞泉」や「ビジネスひとこと」など計10種類の辞書を利用できる。
富士通製端末は「学研モバイル国語辞書」を利用できるほか、「今日は何の日」「今日の歴史」も調べられる。また、「F-01A」や「F-09A」などは、サーチキーから簡単に辞書を利用できる。
NEC製端末は簡易辞書として、国語・英和・和英辞書を利用できる。検索履歴を確認できるほか、文字入力中に辞書を調べたり、入力した文字を選択して辞書で調べたりといったことも可能。
パナソニック モバイルコミュニケーションズ製端末は、辞書を内蔵している機種は少ないが、最近のモデルでは「P-07A」と「832P」が「ケータイTOOL」を搭載しており、学研の国語・英和・和英辞典と英会話辞典などを利用できる。なお、ケータイTOOLは「P-10A」では「クッキング」に特化されており、必ずしも国語・英和・和英辞書が搭載されているとは限らない。
シャープの現行機種は「スマートリンク辞書」を搭載している。国語・英和・和英辞典のほかに複数のネット辞書を利用でき、国語辞典で調べた言葉をネット辞書で調べ直すといったシームレスな検索が可能だ。ネット辞書は定期的に更新することで、新たな辞書を追加できる大きな特徴。さらに、auのシャープ製端末の一部は、複数のネット辞書を横断して検索できる。なお、ネット辞書の利用にはパケット通信料がかかる。
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製端末は「モバイル辞書」を搭載しており、旺文社監修の国語・英和・和英辞典を収録。検索した単語の履歴確認や、調べた言葉からオリジナルの単語帳作成も可能だ。
東芝製端末も、本格的な辞書を搭載したモデルが多い。最近発売されたauケータイでは、「T002」が三省堂の「デイリーコンサイス国語・英和・和英辞典」と語学系の辞書3種類、「biblio」が「デイリーコンサイス国語・英和・和英辞典」やカタカナ語辞典、漢字辞典、語学やビジネス、雑学系など計19種類の辞書を内蔵している。
内蔵辞書を利用する | |
---|---|
対応機種 | NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルの一部機種 |
設定/起動時間 | 約1分 |
料金(パケット通信料を除く) | 無料 |
お役立ち度 | ★★★★☆ |
簡単操作度 | ★★★★☆ |
自慢度 | ★★★★☆ |
関連キーワード
辞書 | 検索 | シャープ | biblio | 832P | CA001 | G'zOne CA002 | カシオ計算機 | 富士通 | 日立製作所 | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ | 東芝 | Yahoo! 知恵袋 | 英単語 | F-01A | F-09A | 学習 | マルチタスク | NEC(日本電気) | P-07A | パナソニック モバイルコミュニケーションズ | T002 | バーティカル検索 | EXILIMケータイ W63CA
バックナンバー
- 第34回 NAVITIMEだけじゃない、ゼンリンの「いつもNAVI」もPC連携できる
- 第33回 PC連携で素早くルート案内――「EZナビウォーク」「NAVITIME」
- 第32回 無料だけど高性能――ナビ+情報収集に「モバイルGoogleマップ」「iGoogle」を活用
- 第31回 絞っても広げても優秀――「Google モバイル」の検索機能
- 第30回 「はてブ」を使ってケータイとiPhoneで手軽に情報収集をする
- 第29回 PCとも簡単に連携――ケータイ向けRSSリーダー「ECReal Reader」を使う
- 第28回 「ウィジェット」や「ガジェット」を活用して素早くググる
- 第27回 Webサイトにアクセスせずに“ググる”方法
- 第26回 “ブックマーク”ではなく“特定のサイト”をショートカットに設定する方法
- 第25回 時間指定メールを活用する――「アトdeメール」「タイマーメール」
- 第24回 記号や絵文字、顔文字を素早く入力する――“読み”と“予測変換”を活用
- 第23回 変換や消去を「なかったこと」にする――UNDO機能、履歴削除
- 第22回 “引用”と“ショートカット”で英数入力やコピペを短縮する
- 第21回 「ユーザー辞書」と「ダウンロード辞書」を活用して変換操作を短縮する
- 第20回 Gmail専用アプリ「EViS」を使って“Webメールの弱点”を解消する
- 第19回 「モバイルGmail」を使ってPCメールをケータイで利用する
- 第18回 集合場所は“地図メール”で通知する
- 第17回 新着メールの“割り込み”を防ぐ方法
- 第16回 “保護”と“バックアップ”で一生分のメールを守る
- 第15回 “振り分け”と“検索”を活用――目当てのメールだけを読む方法
- 第14回 メールの“作成/返信→送信”を高速化する
- 第13回 “アドレス帳連携”で簡単に電話をかける
- 第12回 画面を見ずに着信相手を見分ける――キーワードは“色”と“グループ”
- 第11回 ケータイの“ギミック”に潜むショートカットを活用する
- 第10回 「機能」「設定」「データ」「操作」――ショートカットで呼び出せるもの
- 第9回 ショートカット活用の秘訣は“ダイヤルキー”と“長押し”にあり
- 第8回 データを“画像”として持ち歩ける「バーコード」を活用する
- 第7回 瞬時に記録できる「ケータイカメラ」はメモツールとしても優秀
- 第6回 ちょいメモにも本格メモにも活用できる「ボイスレコーダー」
- 第5回 “大容量メモ帳”として使えるあの機能
- 第4回 “絶対に遅刻できない日”に効果絶大(?)な着信音
- 第3回 平日と休日でアラームを上手に使い分ける
- 第2回 スケジューラで予定のど忘れを防ぐ
- 第1回 内蔵スケジューラーのメリットを考える
関連記事
- 第27回 Webサイトにアクセスせずに“ググる”方法
ケータイの「何となく知っていたけど使っていない」機能や、「実はこんな使い方もある」という活用法を取り上げる本コーナー。第27回では、ケータイで素早くWebサイトを検索する方法を解説する。 - 写真で解説する「biblio」(外観編)
約3.5インチのタッチパネル液晶を備え、一見するとスマートフォンな音声端末の東芝製「biblio」。横スライド式のQWERTYキーボードは点灯パターンを変えることでダイヤルキーに変わり、縦方向・横方向で独自の使い勝手を提供する。 - 薄型テレビを手のひらに――「AQUOSケータイ W64SH」が目指す究極の映像美とは
auの2008年秋冬モデルの中でも多機能な「AQUOSケータイ W64SH」。auケータイでは最大の3.5インチフルワイドVGA液晶を搭載し、ワンセグやLISMO Videoなどの映像コンテンツを満喫できる。auユーザーにとっては念願の“全部入り”シャープ端末といえるW64SHの開発の背景を聞いた。 - 第2回 ちょっと待って、孫社長! その機能はすでに「WILLCOM 03」に――とはいえ便利なWikipedia連携
“全部入り”が魅力の「AQUOSケータイ 923SH」。中でも、地味ながらなかなか便利なのが「スマートリンク辞書」機能だ。ウィキペディアなどのオンライン辞書にも対応し、“ケータイならでは”の利点を活かした機能に仕上がっている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.