1ポイントから募金できる――広がれ、企業ポイントの「募金活用」
東北地方太平洋沖地震の被災地支援のため、寄付したい――この声に応え、マイレージなど自社が運営するポイントで募金を行う企業が増えている。
3月11日に東北地方を中心とする広い範囲で大震災が起こりました。気象庁によると、そのマグニチュードは9.0。日本の観測史上最大の大震災となってしまいました。
被災地では今も懸命の救助作業が続いています。また、今回の大震災では東京電力の発電設備が甚大な被害を受けており、電力供給能力が低下。東電エリアのネットユーザーを中心に、節電を呼びかける運動も始まっています。
募金の動きもはじまりました。詳しくはこちらのニュース記事(参照記事)に譲りますが、多くのポータルサイトや携帯キャリアが募金の受付を行っています。
そのような中で、筆者が「これは、すばらしい」と膝を叩いたのが、企業ポイントの募金活用です。すでにCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)の「Tポイント」、Yahoo! Japanの「Yahoo! ポイント」など複数の企業ポイントが募金に対応。手持ちのポイントを1ポイント単位で募金できます。
様々な商品・サービスの購入で付与されるポイントの発行額は、2010年段階で民間だけで1兆円の規模があります。これにエコポイントなど公的なポイント市場もあり、その規模は巨大です。一方で、これらのポイントはそのすべてが消費されているわけではなく、貯める一方であまり使われていなかったり、使用期限切れで失効してしまうことも少なくありません。この"ポイント"が簡単な手続きで1ポイントから募金に回すことができたら、その効果はとても大きいものになります。
ポイント募金、3つのメリット
ポイント募金には、3つのメリットがあります。
(1)現金・クレカより、心理的に募金しやすい
日本では多くの消費者が、ポイント/マイルを“消費のオマケ”程度で考えています。企業ポイントの募金は、このオマケの行使を手放すだけですから、現金・クレカよりも募金の心理的ハードルが下がり、まとまった額でも募金しやすくなります。
(2)不要なポイントの有効活用ができる
消費者はすべてのポイントプログラムに熱心に参加しているわけではありません。ポイントが付与されたものの、それを使う気がない・使われない(失効させてしまう)ポイントがたくさんあります。これが1ポイントから募金できれば、消費者にとって有効なポイント活用になります。
(3)細かなポイントも、集まれば大きい
2番のメリットと連動しますが、ごく小額でも使われていないポイントを消費者が募金していけば、トータルの金額はかなりまとまったものになります。ポイント交換対象にならない端数のポイントでも、数万人が募金で使えば、数百〜数千万の募金になるわけです。
このように“企業ポイントの募金”はかなり効果的で、多くの人が負担感なく募金しやすいものです。
現在、ポイントプログラムとして巨大なものとしては、前述のTカードのほかにも、流通系では「Ponta」、航空系では「ANAマイレージクラブ」「JALマイレージバンク」があり、ヨドバシカメラゴールドポイント」など家電量販店のものもあります。またあまり知られていませんが、ポイント発行額で見ると、NTTドコモの「ドコモポイント」など携帯電話キャリアのポイントプログラムも巨大です。クレジットカード会社も、それぞれポイントプログラムを用意しています。これらポイントプログラムを持つ企業が1ポイントから募金できる“ポイント募金”の仕組みを作れば、その規模の大きさからも、かなりの効果が期待できるでしょう。各企業には「企業ポイントの募金活動」について、ぜひ前向きに検討してもらいたいですね。
NTTドコモ、ビックカメラやJAL、ANAもポイント募金に参入
3月13日にこの話題をブログに書いたあと、続々と多くの企業が自社ポイントプログラムからの募金を開始しました。
中でも注目なのが、携帯電話キャリアのNTTドコモ (ドコモポイント)や、家電量販店のビックカメラ(ネットポイント)、そして航空会社であるANAとJALが本格的にポイント募金を始めたこと。また、Twitter上ではソフトバンクモバイルの孫正義社長が、同社のポイントを募金できるようにすると表明しました。ユーザーが持っている「企業ポイントを募金する」という動きは、急速に広がってきています。
上にも書いたとおり、日本の企業ポイント市場は10兆円以上あります。その中には、死蔵されていたり、ユーザーが使わずに失効してしまうものも少なくありません。それらが被災地への募金に回れば、大きな経済効果が見込めます。今回の大震災において、企業ポイントが有効に活用されることに期待したいですね。
すでに募金可能なポイントサイト
すでに募金可能なポイントサイトは以下の通りです(3月23日更新、随時追加中)。
- ドコモポイント→詳細ページ
- ビックカメラ(ビックネットポイント)→詳細ページ
- ソフマップ→詳細ページ
- ノジマ→詳細ページ(PDF)
- ANAマイレージクラブ→詳細ページ
- JALマイレージバンク→詳細ページ
- JR西日本(J-WESTポイント)→詳細ページ
- 阪急阪神(STACIAポイント)→詳細ページ
- NEXCO中日本(ショッピングポイント)→詳細ページ
- 楽天スーパーポイント→詳細ページ
- Tポイント→詳細ページ
- ローソン(Pontaポイント)→詳細ページ
- nanacoポイント→詳細ページ
- Yahoo! ポイント→詳細ページ
- はてなポイント→詳細ページ
- ニコニコポイント→詳細ページ
- ECナビ→詳細ページ
- エポスカード→詳細ページ
- JCB(OkiDokiポイントプログラム)→詳細ページ(PDF)
- 三菱東京UFJポイント→詳細ページ(PDF)
- 三井住友VISAカード→詳細ページ
- UCカード→詳細ページ(PDF)
※この記事は、誠ブログ「企業ポイントの『募金活用』に期待」「続々と広がる『企業ポイント募金』」より転載しています。
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