とにかく速い――予想以上に楽しかった「HTC J ISW13HT」のカメラ:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(4/4 ページ)
日本市場向けに徹底して開発されたauのスマートフォン「HTC J ISW13HT」は、高速起動が可能なほか、HTC独自のチップやF値2.0のレンズを採用するなど、カメラ機能にも注力した。その実力はどれほどか。iPhone 4Sとの比較も交えてレビューする。
室内や夜の写真を撮る
次は室内で料理を。ホワイトバランスもしっかり合ってくれた。
レンズはかなり頑張っているが逆光だとこのように光の筋が入っちゃう。レンズフードを付けるわけにもいかないし、しょうがないか。
暗い部屋だとISO感度が上がるけど、ISO800まで上げてこのクオリティならなかなかだ。
夜の写真も。
こういうシーンではタッチAFがよく働いてくれる。
さてそれ以外の機能。撮影モードではパノラマに注目。指示に沿ってカメラを動かすと、自動的に撮影してくれる。連写しながらつないでいく、いわゆる「スイングパノラマ」ではなく、指示に従って角度を変えていくと、適切な箇所で自動的に撮影し、最終的に5枚撮ってつないでくれるというもの。見て分かるとおり、かなりきれいにつながってくれます。
カメラ画面の右下に青い○がある。これをタップすると「特殊効果」を加えられる。全部で15種類。ビンテージは暖色、寒色、ノーマルの3種類ある。ビンテージの暖色だといい感じでレトロ風になる。
カントリー調にすると、70年代のカラーフィルムっぽい色合いに。
その他に「歪み」「ドット」「ネガ」「モノクロ」「フィールドの深さ」など種類は多い。
ドットはドットサイズを、フィールドの深さではぼかす範囲を指定することもできる
動画編――フルHD動画撮影中に静止画も撮れる
最後に動画の話もしておこう。フルHDの動画はmp4形式でH.264で圧縮される。
で、注目すべき機能が2点。1つは「フルHD動画撮影中に静止画も撮れる」こと。動画撮影中に静止画撮影ボタンをタップすると、動画撮影を一切遮ることなく、静止画を撮れるのだ。それも16:9で5メガという高解像度の写真を撮れる。これは素晴らしい。
もう1つはハイスピード動画。動画サイズは768×432ピクセルと小さくなるが、ハイスピード撮影が可能なのだ。つまり、こんなスローモーション動画を撮れるのである。
以上である。いやあ、予想以上に楽しいカメラ機能でしたよ。何しろ速い。起動も速いしAFも速いし撮影間隔も短いし、使っててストレスがたまるシーンはゼロといっていい。まあ、HDRモードでは撮影後の処理にちょっと時間がかかるけど、その辺は数秒の我慢。さらにカメラ機能がシンプルで使いやすい。タッチAF&AEも便利だし、画面も見やすいし、長押しで連写になるというアイデアもいい。画質もスマホとしてはとてもいい。さまざまな条件で撮ってみたけど、大きく破綻することはないし、暗くてもそれなりに撮れるし、発色も鮮やかで見栄えのする絵が撮れるのだ。
難点は、撮影した写真に付加される情報が少なすぎることくらいか。撮影情報(EXIF情報)がほとんど……例えばシャッタースピードや露出が書かれてない。まあ、不要な人には不要だけれども。
今までスマホ搭載カメラのトップ2はiPhoneとXperiaと言ってきたけど、今日から変更します。トップ2の座は「iPhone 4S」と「HTC J」に変更。わたしの中ではそうなりました。
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