「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14」とGALAXY Note 3でWiMAX 2+を使ってみた:普通は無線LANでつないで使います(2/2 ページ)
10月31日から運用を開始する「WiMAX 2+」は、下り最大110Mbps/上り最大10Mbpsという高速なデータ通信が利用できる、という。本当かどうか街で試してみた。
無線LANが間に入るとWiMAX 2+的にどうなのか?
ほとんどの測定で、下り速度はWiMAX 2+が速く、次いでLTEが続く。しかし、その差はあまり広がっていない。Ookla SPEEDTESTにいたってはLTEがわずかに上回っている。上り速度は差は大きくないものの、LTEがすべてのテストでWiMAX 2+を超えている。WiMAXの測定結果は、どの項目でもLTE、そして、WiMAX 2+から大きく離されてた。
ただ、WiMAX 2+にしてもLTEにしても、すべての測定で測定する回によってその値が大きく変わる傾向にある。WiMAX 2+では、下り測定の最も低い値で9Mbps台というのがあり、さらに、20Mbps台40Mbps前後の結果がほぼ半分ずつとなった。LTEの測定では、もう少し収束するが、それでも、最も低い値では10Mbps台で、20Mbpsや30Mbps台の結果も少なくない。
UQコミュニケーションズによると、無線LAN接続では周囲の無線接続による影響を強く受けるため、データ転送レートは大きく変化する可能性があるという。そのため、測定した結果から“極端に”低い値を省いて場合の“上澄み”的な平均も参考値として比較してみる。特にWiMAX 2+の測定結果では、10回測定した結果の中で前半が20Mbps台だったのが、後半はほぼ45Mbps前後に跳ね上がっている。LTEの測定結果は、40Mbps前後にほぼそろっているが、それでも何回か10Mbps台前半や20Mbps台前半に測定値が落ちる場合があった。
この“参考値”で比較するとRBB TODAY SPEED TESTの下り速度で、WiMAX 2+はLTEに対して明確な差を出すことができるが、それでも、Ookla SPEESTESTとSpees Test Speed Interactive Agencyの傾向は変わらなかった。
繰り返しになるが、今回の検証ではHWD14とスマートフォンを無線LAN(IEEE 802.11n)で接続している。純粋にWiMAX 2+の転送レートを測定するなら、HWD14とPCをUSBで接続するのが“正しい”が、やはり、実際の運用形態を考えると、無線LANで接続して使うのが圧倒的に多いだろう。
UQコミュニケーションズでは、基地局間の干渉と無線LAN接続における無線電波の干渉が速度を低下させる原因という見解を示しており、基地局間の干渉については、現在チューニング中で今後改善すると答えているが、無線LANの電波干渉については、関与するデバイスやメーカーなど、都市部では改善が難しい事情があると説明している。
今回の検証結果で考えるかぎり、モバイルルータを利用した無線LAN接続で使うWiMAX 2+は、諸々の電波環境が好条件の場合、LTEより速い転送レートでデータ通信ができるのは分かった。しかし、その違いは圧倒的ではなく、テストによってはLTEとほぼ並ぶか下回ることもある。また、上り速度はLTEにかなわない。
UQコミュニケーションは、WiMAX 2+に月当たり7Gバイトの容量制限を設定しているが、当面、契約後25カ月は容量無制限で利用できる“キャンペーン的措置”を実施している。モバイル環境で利用するWiMAX 2+は、LTEに相当する転送レートを容量無制限で利用できることに最大の意義がある、と、最近月当たりの通信容量が7Gバイトを超えることが少なくない1人のユーザーとして思うのであった(そして、WiMAX 2+対応スマートフォンの登場も……)。
なお、2.4インチタッチパネル内蔵ディスプレイで大きく変わった操作性や、ハイスピードモード、ハイスピードプラスエリアモードで、WiMAX 2+とWiMAX、または、WiMAX 2+とLTEの切り替えがスムーズにできるのかについては、また、別の機会に検証結果を紹介する予定だ。
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