「アジア人はクレイジーなほどスタンプに夢中」――アジア市場におけるLINEのマーケティング活用(1/2 ページ)
LINEが企業のマーケティング担当者向けに、アジア圏のLINE活用事例を紹介するセミナーを開催。各国の担当者が現地のユーザー動向を説明した。
LINEは4月23日、同社オフィスで企業のマーケティング担当者向けに、アジア市場におけるLINE活用事例を紹介するセミナー「LINE GLOBAL MARKETING CONFERENCE〜LINE×ASIA×MOBILE〜」を開催した。同セミナーでは各国の現地担当者らが登壇し、アジア圏におけるLINEユーザーの動向などについても紹介した。
冒頭ではLINE 代表取締役COO 出澤 剛氏が登壇し、「LINE自体が4億ユーザーを突破しただけでなく、楽天がViberを、FacebookがWhatsAppを買収するなど、メッセンジャーアプリという市場はビジネス面でも世界的に注目を集めている。特にアジア市場の伸びは著しい」と語った。
LINE 上級執行役員 法人ビジネス担当 田端信太郎氏は「LINEユーザーの85%は海外。全世界の携帯電話普及台数は43億500万台だが、その56%をアジアパシフィック地域が占める」と補足した。さらに、「言語や文化だけでなく、アジアと日本という市場の境界線をLINEで消していきたい」と意気込みを語った。
急成長する魅力的なアジア市場
続いて登壇したニールセン アジアパシフィック・ディレクター サガール・ファドック氏は、アジアにおけるスマートフォンを活用したマーケティングの現状について説明した。
「モバイル市場に限らず、アジアの新興国における若い消費者のプレゼンスはますます高まっている。シンガポール、香港などの新興国はモバイル事情についても進んでおり、マレーシア、タイ、インドネシアなどはややインフラ面や普及率で遅れを取っているが、急成長している魅力的な地域。インフラの障壁がなくなるのは時間の問題」とサガール氏は話す。
サガール氏が示したデータによると、アジアの新興国ユーザーは1日平均2時間以上スマートフォンの画面を見ており、タイとマレーシアでは3時間以上という調査結果もあった。「チャットアプリはどこの国でも人気で、特に女性に支持されているLINEのユーザーは10代〜20代と比較的若く、ゲームやSNSなどにかなりの時間を割いているのが特徴だ。データに基づく事実からターゲットを確定し、そこに最適化したソリューションを提供することが求められる」と同氏は説明する。SNSやチャットアプリが人気を集めているのは、日本とさほど変わらない状況だといえる。
「これだけたくさんのアプリが存在する中、自前でアプリを開発するという戦略についてどう思うか」という質問には「長期的戦略としてはいいかもしれないが、短期的に見るとすでにユーザーから支持されているプラットフォームと提携するのがいいかもしれない」とサガール氏は答えた。
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