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iOS 8は「箱庭の解放」でさらに支持を高めるか本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)

ウワサされた新ハードウェアが一切登場しなかった「WWDC 2014」の基調講演。しかし、WWDC本来の目的においては、今後に期待を持たせる内容だった。発表された次期モバイルOSの「iOS 8」から、アップルの狙いを探る。

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「箱庭の適度な解放」は、デベロッパーとの「共創」を生み出すか

 前述したように、スマートフォン市場の成熟により、現在、支配的なプラットフォームを持つアップルが、大きなイノベーションを起こすことは難しい状況だ。やり方を間違えれば、今ある地位を自分で捨てることにもなりかねない。iPhoneは、もはや多数派となったスマートフォンの象徴でもある。

 しかし、アップルにはまだ出すべきカードがある。それはこれまで守ってきた領域のデベロッパーへの解放だ。セキュリティや複雑性の回避、消費電力対策など、さまざまな理由から、これまでiOSのアプリ実行環境は小さな箱庭に押しとどめられてきた。

サードパーティ製キーボードの解放は、デベロッパーはもちろん、エンドユーザーの使い勝手にも大きな影響を与えるだろう

 これまでは、その方が利点が大きかったが、サードパーティ製キーボードの解放、アプリ間連携の解放、GPUパフォーマンスの解放など、各種APIの大量追加にみられるように、これまで手を出せなかったiOSの深部にも、デベロッパーがアクセスできるようにしている。

 iPhone/iPadの元に集まったデベロッパーに、iOSの一部を託し、新たな市場ジャンル開拓のスペースを用意、より効率的で魅力的な開発環境を提案することで、プラットフォームとしての足固めを狙っているのではないだろうか。

 もし、アップルの思惑通りにデベロッパーの支持を集めることができるなら、iOS 8はアップルのプラットフォームを、もう一段上のレベルに引き上げる重要なリリースとなるだろう。

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